普段生活をしていて「脳」の働きについて意識することはほとんどないと思います。
今回紹介する「WHOLE BRAIN」という本は、
神経解剖学者であるジル・ボルト・テイラーさんという方が、脳の働きという観点から幸せな人生を送るためのノウハウを提案してくれます。
分厚い本で内容も少々難しいため、読書に慣れていない人はもしかすると途中で挫折してしまうかもしれません。
読む前に少し覚悟してから読み始めたほうが良いかもしれません(;’∀’)
ボリュームがありすぎて、そして内容が若干抽象的というかスピリチュアル?な感じもして、正直言って私は理解度が中途半端です。
そんな状態で恐縮ですが、解説してみたいと思います。
著者:ジル・ボルト・テイラーさん
著者のジル・ボルト・テイラーさんは神経解剖学者という肩書を持っています。
脳に関する研究を長年行ってきましたが、37歳の時に脳出血により左脳の機能を全て失いました。
8年のリハビリの末、その失った左脳の機能を取り戻すことができた、という波乱万丈な人生の方です。
その後自身の体験をTEDでプレゼンし、反響が凄まじいそうです。
この本を読む前にまずはそのTEDを見たほうが、本の内容が少しは頭に入っていきやすいと私は思います。
脳に関する研究を行っていたら脳出血を起こしてしまい、左脳と右脳の機能を自分が身をもって体験したということです。
科学者はマウスとかを使って実験をすることが多いですが、まさかこの人は結果的に自分が実験体になってしまった、ということですね。
なので、ご自身の壮絶な経験からくる言葉になっているので説得力は強いですし、本の中で語られている内容は信ぴょう性が高いのかもしれません。
伝えたいメッセージ
そもそもこの本が伝えたいことは、
「脳の機能を選択的に使いこなすことで心の安らぎを得ることができる。」 と私は理解しました。
著者が伝えたいメッセージは読者によって捉え方が変わってくると思うので、正解は無いです。
あくまで私はそのように解釈しました。違う人が読めば違う解釈もできます。
興味があればぜひ一度読んでみて、自分なりの視点で解釈してみると良いと思います。
左脳と右脳
一般的な脳の機能は、左脳:思考、右脳:感情 のように、別々の機能を持っているとよく言われます。
しかしこの本では左脳と右脳それぞれに思考と感情をコントロールする特性があると言います。
左脳はキャラ1、キャラ2、右脳はキャラ3、キャラ4と、計4つのキャラを持っているとのこと。
この4つのキャラを完全に理解してこと自由な人生を送ることができる、というのが趣旨です。
以下に本の中に出てきたキャラ1~4に関するキーワードを整理しておきます。
几帳面・計画的・整理整頓・分類・完璧主義・区別・分類
ネガティブ・罪の意識・不安・自己中心的・責める・騙す
寛容・遊び心・共感力・創造性・好奇心旺盛・楽しい
気づき・広がり・つながり・受容
左脳の機能を失った経験から学ぶこと
著者のジル・ボルト・テイラーさんは脳出血により左脳の機能を失いました。
これによって自我を亡くし、言葉を発することもできなくなってしまいました。
しかし右脳の機能は生きていて、もちろん本人も生存していました。
自分の意識とは関係なく、「今、ここ」だけの状態に追い込まれました。
そこには過去や未来の意識はなく、目に見えるものや肌で感じるものしかないんです。
著者は否応なくそのような状態になってしまいましたが、左脳の機能を取り戻した現在、意識的にそんな右脳の機能をオンにすることができると言います。
右脳をオンにすればポジティブな気持ちになれ、あらゆるものを受け入れることができそうです。
「今、ここ」という点では、「嫌われる勇気」にも同じフレーズが登場しました。
「嫌われる勇気」では【トラウマを否定せよ】と言います。
過去のトラウマを捨て、今ここに強烈なスポットライトを当てる。
私はこの嫌われる勇気の考えと右脳のキャラ3、キャラ4の機能が合致していると思いました。
考える右脳のキャラ4は哲学者であるとも言えそうです。
現代社会にどのように活用するか
先行き不透明な今の世の中、何かと生きづらさを感じることはよくあると思います。
私はサラリーマンなので、企業に属していれば特有のストレスにもさらされます。
ストレスを感じている時は主に左脳のキャラ1、キャラ2がオン状態になっていると推測できます。
仕事の納期だったり、トラブル対応だったり。常に論理的・合理的に考え、仕事の生産性を意識する。
また人間関係の問題や長時間労働といった、身体的・精神的負荷にさらされます。
そうなると自然と感じる左脳のキャラ2が主役におどり出て、ネガティブな気分まっしぐらです。
思えば人は生まれてきた直後は言葉を発することもできない、考えることもできないため、ほぼほぼ右脳オンリーだったはずです。
そして毎日新たな発見をし覚えることで左脳が成長していきます。
やがて大人になってそんな感覚は無くなり、左脳だろうが右脳だろうがそんなことは気にせず毎日何かと戦うのみです。
いつしか忘れてしまった右脳の感覚を取り戻し、意識的に左脳と右脳のキャラチェンジをして、ストレスをストレスに感じないテクニックが今の世の中を生きるのに求められているのかもしれません。
怒りや不安を捨て、ありのままの自分を受け入れる。気の持ちようで人生は楽になる、ということだと私は解釈しました。
要はメンタルってことですね。
まとめ
意識的にキャラチェンジをするために「脳の作戦会議」を行う、と著者は言います。
キャラ1~4の存在を受け入れ、使いこなしている感覚(というか捉え方に近い?)を持てば、
何か起こったときに自分の感情に流されることがなく、いつでも冷静にいられると思います。
現代の世の中は本当にストレス社会で、そして情報に溢れかえっています。
できれば些細なことに悩まず、毎日イキイキと暮らしたいですよね。
脳の作戦会議を積極的に日常に取り入れることで、人生をゆるく、楽に生きていけると思います。
本書はそんな人生を前向きに生きるヒントが書かれた、ボリューム感たっぷりの一冊でした。
気になった方は読破に挑戦してもらいたいと思います。
そして何かを感じ取ってもらえれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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