【年100冊読書の会社員が解説】失敗の科学 マシュー・サイド

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失敗は誰しもが経験するものだ。しかし失敗を失敗で終わらせなければ、人は大きく成長することができるだろう。

我々人類がこれまでどのように失敗を活かしてきた、あるいは活かしきれなかったのか。本書では詳しく解説をしてくれている。

本書を読むことで失敗に対するイメージを変えることができるだろう。簡単に解説をしていこう。

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どんな本なのか

様々な失敗事例を基に、「失敗」に対して徹底的に考えている。

航空機事故や医療事故、あるいは冤罪事件など、とにかく豊富な事例について多面的に分析をしている点で大変興味深い。

今の社会が安全なのは、幾多の失敗が科学されてきた、つまり反省を生かしてきたからこそあるものだということが理解できるだろう。

そう考えると、失敗を素直に受け入れ、客観的に分析する姿勢がいかに大切かを知ることができる。

航空機業界や医療現場では人命がかかっているからこそ失敗を失敗で終わらせない努力がされている。

一方で我々は日常生活において些細な失敗さえも大して科学せずに済ませてしまってはいないだろうか。この本を読めば、そんな怠惰な生活を一変させ、行動の質を変化させることができるだろう。

本書のフレーズからの学び

人は自分の信念と相反する事実を突き付けられると、自分の過ちを認めるよりも、事実の解釈を変えてしまう。

自分に都合の良いように事実を捻じ曲げ、自分を正当化するということだ。

これは「認知的不協和」と言って、フェスティンガーというアメリカの社会心理学者が提唱した概念である。よく挙げられる例としては「喫煙者」だ。

認知1 私は煙草を吸う

認知2 煙草を吸うと肺ガンになりやすい

この認知1と2は矛盾するが、愛煙家は煙草を吸い続ける、といったことだ。

こーたろー
こーたろー

「認知的不協和」を一方的に悪者扱いするのではなく、自分がその状態に陥っていないかどうか?と冷静になるきっかけとして捉えたい。

肝心なのは、自分の仮説に溺れず、健全な反証を行うことだ。我々はつい、自分が「わかっている(と思う)こと」の検証ばかりに時間をかけてしまう。しかし本当は、「まだわかっていないこと」を見出す作業のほうが重要だ。

仮説の立て方に問題があるということだ。我々は意図せず自分が持つ知識の範疇でしか仮説を立てられていない。あえて知らない領域を探す取り組みが必要だ。

こーたろー
こーたろー

これはまさに「確証バイアス」だ。バイアスと正面から向き合い、バイアスに支配されない工夫をしていこう。

小さな改善(マージナル・ゲイン)の積み重ねですよ」彼の答えは明快だった。「大きなゴールを小さく分解して、一つひとつ改善して積み重ねていけば、大きく前進できるんです

失敗を科学して物事を改善する際、一気に変える必要はない。目の前の小さなことから変えていけば良い。とてもシンプルで強力なやり方だ。

Atomic Habit等で言われている習慣の力にも似ている。小さな積み重ねが大きな結果をもたらすということだ。

こーたろー
こーたろー

大目標を分割し、パートに区切ってクリアしていく。とても合理的な考え方だ。

まとめ

本書では、マインドセットの違いで人や組織の成長に差が出るということを主張している。我々の可能性を引き出してくれるのは「成長型マインドセット」であり、失敗から学ぼうとする考え方である。

色々なケースの失敗について見てきたのは、この成長型マインドセットを醸成するためでもあると思う。

失敗を科学できる人とできない人を客観的に見ることで、自分だったらどうするか?というシミュレーションも可能だ。その点では本書は多くの失敗を疑似体験できる有益な一冊である。

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