未来の日本は一体どうなっているのでしょうか?
今回紹介するのは未来予測系のビジネス書です。当ブログでは同じジャンルの本で下記の書籍を紹介しました。
本書の著者、植田さんはどのように日本の未来を予想しているのでしょうか?
今回もシンプルに本書の内容を紹介していきたいと思います。
著者:植田 統(うえだ おさむ)さん
1957年 東京都生まれ
1981年 東京大学法学部卒業
東京銀行(現三菱UFJ銀行)に入行
アメリカ ダートマス大学MBAコースへ留学
世界最大コンサルティング会社 ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン(現PWCストラテジー)に入社
野村アセットマネジメント
レクシスネクシス・ジャパン株式会社社長
青山東京法律事務所を開設
名古屋商科大学経営大学院(MBA)教授
ということで、私はコンサルには詳しくないので何とも言えませんが、とんでもない経歴の持ち主です。
ただ本書の中で植田さんは語っていらっしゃいますが、ご本人なりにキャリアに悩み、これまで多くの紆余曲折があったそうです。
未来年表
著者植田さんは、この先20年をどのように予測しているのでしょうか?
ここでは簡単に紹介したいと思います。
- 2025年「大リストラ」開始
- 2027年「学び直し」が加熱
- 2029年若手社員の「転職」が激増
- 2031年サラリーマン「超格差社会」に
- 2033年社長は「外国人」「女性」の時代
- 2037年「若手社員」が大量流出⁉
- 2039年ついに「年金崩壊」
- 2041年「スタートアップ企業」が急増
- 2043年「サラリーマン消滅」⁉
これだけ見ると多くの人が危機感を抱くのではないでしょうか。
まさにメンバーシップ型からジョブ型への転換が急速に進み、スキル重視の格差社会にならざるを得ないかもしれません。
日本は労働生産性が低いと言われています。2022年、日本は経済協力開発機構(OECD)に加盟する38か国中30位で、1970年以降で最低になりました。
この現状を打開するためには、労働者1人1人の意識を変える必要があります。
政府も人への投資と言って、スキルアップを個人に促していることから、この植田さんの年表は現実的のように思います。
結論
本書では先ほど紹介した年表の根拠を、植田さんが詳しく解説してくれています。この年表が実現するとしたら、我々はその変化に備えて今から何を準備するべきなのでしょうか?
それは、「自分株式会社」を作ることです。
自分自身を商品とする自分株式会社です。自分のスキル開発に積極的に投資をしましょう。
主な投資対象は次の3つです。
1.自分の専門分野の知識
2.「伝える英語」
3.自分の言葉で「伝える力」
戦略的に転職をする
著者の植田さんは40年間で7つの仕事をしてきました。そのような経験からか、植田さんは「戦略的に転職をしてキャリアを作る」ことを勧めています。転職は自分のスキルと経験を積み上げる手段と捉えています。
自分のやりたい仕事、夢を持ち、実現するために己のスキルを磨いていく。そのための手段として「転職」を選択するのです。
植田さんが外資系コンサル会社を経験してきたからでしょうが、とにかくこの「転職」へのエネルギーが強いです。「転職」に抵抗のある人から見ると、浮世離れした話に聞こえてしまいますが、言わんとすることは、自分のキャリアのオーナーシップを持ち、コツコツ積み上げていきましょうということだと思います。
キャリアビジョンの設定は試行錯誤
では我々は一体どのように将来のキャリアビジョンを作っていけば良いのでしょうか?
時代は急速に変化しています。今5年後10年後のビジョンを作っても、それがその通りに行くかどうかはその時の環境や時代背景によっても変わってくるでしょう。
従って、その時その時に真剣に考え、ビジョンを再構築すれば良いんです。つまり、「キャリアビジョンの設定は試行錯誤」です。
色々な事に興味を持ち、それに向かって全力で行動する。そんなメッセージを私は受け取りました。
安いニッポン なぜか
冒頭で紹介したこの先20年の地殻変動。原因は日本の低い労働生産性、安い賃金が挙げられます。ではなぜ日本はこのような状況に陥ってしまったのでしょうか?
それは、日本の労働者に専門的スキルが無いからです。
専門的スキルが無ければ転職が難しい。そうなると今いる会社にい続けるしかありません。
従業員は不満を言いながらも会社にしがみつくので、会社からしたら賃金は上げなくても労働力は確保できるでしょう。つまり従業員は不平不満を言いながらも会社に飼い殺されるわけです。
このようなジレンマから抜け出さない限り、安いニッポンはこれからも続くでしょうが、世代交代が進むにつれ、徐々に日本人のマインドも変わってくるかもしれません。
定年制は強制的な解雇システム
日本の労働システムの特徴として、「定年退職制度」があります。
これは実は「年齢による強制解雇システム」とも解釈することができます。
社員が高齢になれば、知力も体力も衰え始めます。加えてモチベーションも低下するかもしれませんね。それにもかかわらず、高い賃金を維持し続けていたら、会社の人件費は火の車になってしまいます。
その状況を打破するために、定年という制度を盾に、正当に社員を解雇しているのです。
定年延長に関する議論がされている企業は多いですが、それは年金問題からくるアプローチです。しかし上記のような考えを持てば、定年延長が必ずしも日本の未来にとって前向きな施策とは言い切れないのかもしれません。
まとめ
以前紹介した成毛眞さんの書籍とは異なり、今回は個人の働き方に直接フォーカスしていくような未来予測系の書籍でした。
大切なのは植田さんの予測結果を受け、読者1人1人が自分なりの考えを持ち、各個人が考える未来に向かって行動することだと思います。
私はアラフォーなのでまだマシかもしれませんが、我々の子供世代はさらに変化が求められるでしょう。
子供達の明るい未来のためにも、私も一生懸命今を生きたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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