【外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術】要約と感想│ビジネス書│自己啓発本│書評│

📚読書

読書をどのように仕事のアウトプットにつなげれば良いのだろう、と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。

本書ではそんな問いのヒントを与えてくれる一冊です。

他の読書系の書籍とはまた異なった味わいになっており、新しい示唆を与えてくれるでしょう。

私が読んで得られた示唆を中心に、本書を紹介していきたいと思います。

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著者:山口 周 さん

1970年東京都生まれ

慶應義塾大学文学部哲学学科卒業、同大学院文学研究科美術史学専攻修士課程修了。

電通、ボストン・コンサルティング・グループ、A.T.カーニー

ヘイコンサルティンググループディレクター

専門はイノベーション、組織開発、人材リーダーシップ育成、キャリア開発、働き方研究。

学生時代の専門からはかけ離れたキャリアを形成していることが判ります。

そのあたりのストーリーは本書で語られていますが、コンサルとしての知識は独学で学んできたとのこと。

その仮定で得た読書に関する気づきが本書に詰まっています。

特に、山口周さんが「これだけ読めばいい!」という書籍を紹介する「ビジネス書マンダラ」は必見です。

読書=株式投資

読書は時間もお金もかかります。ただ、読書によって得られるものはたくさんあります。

つまり読書というものは、自分の貴重な時間とお金を投資し、人生の豊かさを回収するという投資行為です。

ビジネス書を1冊読むのにかかる時間は人によりますが、数時間かかることもあるでしょう。これって冷静に考えると大変なことですよね。

読み始めて少しでも合わないなと思ったら、見切りを付けて途中で辞める勇気も必要です。

つまり株式投資における「損切り」です。

投入した時間・お金に対するリターンを意識しましょう。

著者が勧める2種類の読書

本書のコアとなるであろう考え方を紹介します。

1.ビジネス書:ビジネスパーソンとしての基礎体力をつくるための読書

2.教養書:ビジネスパーソンとしての個性を形成するための読書

ビジネスパーソンが高い知的生産性を上げるためには、この2種類の読書が必要だと言います。

ただし、この2種類は読み方が異なるという点が注意すべきポイントでしょう。

「ビジネス書」「教養書」読み方

ではそれら2種類の書籍はどのように読めば良いのでしょうか?

1.ビジネス書:狭く、深く、読書ノートはとらない

2.教養書:広く、浅く、様々なジャンルを読む、読書ノートをとる

ビジネス書は定番・名著を抑えておけば、類似の書籍は同じことが書いてあるため、同じ書籍を何度も読み、記憶すればいい。

一方で教養書はジャンルが多岐にわたり、読む人の性格やシチュエーションによって刺さるツボが異なるため、数をこなして多くの本と出会ったほうが良いです。

読書テクニック

本書では「5冊読むよりも1冊を5回読む」とか、「情報のイケスを作れ」等の読書テクニックが紹介されています。

それぞれ大変興味深い内容なので、ぜひご自分の目で確かめていただきたいです。

ただ私が感じたのは、どれもある程度の読書力がある人に適用されるテクニックである という事。

大抵の人は読書という行為自体に慣れていません。そのような人にとっては、いきなり読書を仕事に活かすハイレベルなテクニックを教えられても、ただただ苦しいだけです。

まず読書の入口として大事なのは、「1冊を読破した小さな成功体験を積み重ねること」だと私は捉えています。

そのような成功体験をいくつも経験し、やがて読書力が身に付いた時に本書で書かれたテクニックをすんなり実践できるのかもしれません。

面白いかどうかを大事にする

そうは言っても、読書初心者にもありがたいアドバイスが書かれていました。

それは、「役に立つかどうかよりも、面白いかどうかのほうがずっと大事な評価軸である」こと。

つまり、読書の入口はエンターテイメントで良いんだと思います。

なんか面白そうな本だなと思って手に取り、読んでみたらやはり面白かった。

だから次も面白そうな本を読んでみる。そうして徐々に読書の経験値が蓄積し、読書力が向上していく。私自身はそんなプロセスで読書が習慣化していきました。

なので、堅苦しく考えず、まずは楽しめば良いと思います。

偶然との出会いがキャリアを形成する

スタンフォード大学の教育学・心理学教授のジョン・クランボルツの調査によると、「キャリアの8割は本人も予想しなかった偶発的な出来事によって形成されている」とのこと。

つまり長期的な計画をもって一直線に努力をするという行為はあまり意味がないそうです。

また、自分の興味の対象を限定してしまうことは、キャリアの形成を阻害してしまいます。

以前読んだ「ロングゲーム」とは異なる方向性の主張ですが、私的にはこちらのほうがフィットしそうです。

まさに読書は偶発的な出会いの連続です。

まとめ

・読書=株式投資と考える

・ある程度読書力が身に付いてきたら、ビジネス書と教養書の2種類を読み分ける。

・面白いかどうかを大事にする

・偶然との出会いがキャリアを形成する。読書はそのためのベストツール。

私はこのような読書系の本が好きなのですが、本書は少々ハイレベルな内容かなと感じました。

ただ、著者の山口さんのように経営コンサルを目指す人は本書を読んだほうが良いと思います。

山口さんの苦悩を知った上で、経営コンサルへの近道をたどることができるでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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