今回紹介するのは、アドラー心理学で有名な岸見一郎さんの「愛とためらいの哲学」です。
なぜ愛なのか?と不思議に思う人もいるかもしれませんが、人は一人では生きていけない生き物です。
だからこそ愛を知ることは生き方を知ることに等しいと私は思います。
本書を読めば愛について理解を深めることができるでしょう。
基本情報
発売日:2018年2月15日
ページ数:192ページ
出版社:PHP研究所
著者:岸見一郎さん
岸見一郎さんといえばなんと言ってもアドラー心理学の名著「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」が有名です。
「幸せになる勇気」では愛に関する提言がありました。
この「愛とためらいの哲学」では、その愛の部分を徹底的に深掘りした内容とも言えます。
対人関係の中にこそ幸福がある
「嫌われる勇気」では、人間の悩みは全て対人関係であるという考えが登場します。
人と関わることで傷つくことを恐れる人は、対人関係の中に入っていこうとはしません。
恋愛ともなれば特にそうですよね。
しかし対人関係の中にこそ生きる喜びや幸福を感じることができるのです。
対人関係の中に入っていく勇気を持つためにも、愛について本書から学ぶべきでしょう。
恋愛をギブ・アンド・テイクで考えるのはNG
有名なビジネス書である「GIVE&TAKE」では、成功者の特徴としてギバーであることが書かれています。
実は恋愛においてもギバーであるべきなのです。
多くの人は自分がギブしたらテイクできるものだと勘違いしています。だからこそ苦しむのです。
自分はこれだけ愛しているのに愛されていない、といったように。
見返りは求めず、積極的にギブしていきましょう。
エーリヒ・フロムの言葉
本書ではたびたびエーリヒ・フロムの言葉を引用しています。
フロムはドイツの哲学者で、「愛するということ」という書籍が大変有名です。
フロムは以下のように言いました。
「幼稚な愛は『愛されているから愛する』という原則にしたがう。未成熟な愛は『あなたが必要だから、あなたを愛する』と言い、成熟した愛は『あなたを愛しているから、あなたが必要だ』と言う」
この言葉を読んで私はすぐに思い出しました。
そう、機動戦士ガンダムSEED FREEDOMでラクス・クラインが言ったセリフです。
「必要だから愛するのではありません。愛しているから必要なのです」
私はこの映画を劇場で観て、ラクスがこのセリフを言ったシーンで胸を打たれました。
なんて良いセリフなんだろうと。
実はエーリヒ・フロムの言葉を借りていたのかもしれませんね。
愛することは尊い。
愛の経験から学ぶこと
愛するということは時に痛みを伴うこともあるでしょう。
しかしそれでもなぜ人は人を愛そうとするのでしょうか。
愛の経験から一体何を学ぶのでしょうか。
それは、人は一人では生きていけず、他者との繋がりの中で生きているということです。
繋がり、それは縁とも解釈できそうです。
一つ一つの縁を大切に生きていく。
それこそが人生を豊かにする秘訣なのではないでしょうか。
愛とためらいの哲学 ーまとめー
・対人関係の中にこそ生きる喜びや幸福がある。
・愛するということはギバーになること。
・必要だから愛するのではない。愛するから必要なのだ。
・愛の経験から学ぶことは他者との繋がり。
愛するということに関しては誰かから学ぶものではないと私を含めて多くの人が考えているでしょう。
しかし本書でも主張している通り、愛するということは技術なのです。つまりノウハウ。まさしくビジネスと同じ。
恋愛に自信が無ければ本から体系的に学ぶというのはいたって普通の考えです。
なんでも自己流で解決しようとせず、まずは知識をインプットしてみることから始めましょう。
まさか愛にも技術があるとは思いませんでしたね。
本は色々な知恵を与えてくれます。
これからも色々なジャンルの本に挑戦していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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