【おいべっさんと不思議な母子】要約と感想│小説│書評

📚読書

安定の喜多川泰さんです!

今回は「生きる力」をもらえる清々しいストーリーです。

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基本情報

発売日:2013年1月9日

ページ数:265ページ

出版社:サンマーク出版

著者;喜多川泰

これで喜多川泰さんの本はおそらく「14冊目」です。

読めば読むほどハマるはず!

喜多川さんの小説はシンプルに勇気づけられます。

素直な心で読みましょう。

あらすじ

主人公は小学校の先生である日高博史。ある日、担任を受け持っている6年3組に転入生が来ることになります。

転入生の名は「石場寅之助」で、現代の小学生とはかけ離れた容姿をしていて、口調が江戸時代の武士そのものという明らかに不自然な子供。

そして寅之助の母親も同様な出で立ちで、母子揃って不思議な雰囲気を醸し出します。

その不思議な母子はいったいどこからやってきたのか?そして主人公の博史と母子が織りなす物語とは?

意外な結末に超スッキリです!

「おいべっさん」とは何か

本書のタイトルにもなっている「おいべっさん」とは、古い遊具がいくつか並んだ小さな公園のことを言います。

公園のそばに古びた神社のようなものがあることから、そのように呼ばれています。

「おいべっさん」について少し調べてみました。

「おいべっさん」という呼び名は、蛭子様→えびすさま→えべっさん→いべっさんと訛り、”お”を付けて丁寧にした呼び名になったと言われています。

静岡県静岡市葵区の西宮神社の祭礼で、毎年11月19日と20日に開催されます。境内から港橋にかけて露店が立ち並び、夜通し行われる19日が特に賑わいます。

徳島県徳島市の代主神社の祭礼で、通称「おいべっさん」と呼ばれています。1月9日の「宵えびす」から始まり、10日の「本えびす」、11日の「残りえびす」の期間中、福笹や熊手を買い求める参拝客でにぎわいます。

商売の神様である「えびす様」が名前の由来で、実際に「おいべっさん」と呼んでお祭りを行っている地域があるようです。

学校は何をする場所か

本作の舞台は小学校です。喜多川泰さんは学習塾を創設されたこともあり、学びに対する熱意は相当なものをお持ちです。

その熱意が本作にも詰め込まれていて、とても参考になるでしょう。

さて、学校とは一体何をする場所でしょうか?

実は「上手にたくさん失敗をするための場所」なのです。

普通に考えれば「勉強する場所」となるでしょうが、そこはさすが喜多川泰さん。

勉強することを解像度を上げて考えると、色々な目的が見えてきます。

その一つとして「失敗」があるわけです。

小学校では勉強や人間関係等、色々な悩みを抱えます。

人は悩みを抱えつつ、それを乗り越えてこそ成長するのです。

失敗こそ学びの宝庫なんですね。

今に感謝をする

江戸時代の武士のような出で立ちの寅之助くんの行動から、読者である我々は色々な学びを得ることができます。

その一つとして、今に対する感謝の心を無くしてしまうリスクです。

これまでの日本の歴史を振り返ってみると、現代はとても平和で豊かな暮らしができています。

それにもかかわらず今の暮らしに「幸せ」を感じる人が少ないのも事実です。

この豊かさは当たり前ではない、今の生活に感謝をしなくてはいけない。

そう考えると、教育がいかに重要かが理解できます。

副業ブームに便乗して稼ぐことに盲目的になり、怪しいセミナーを開いたりするのが良い例でしょう。

儲けることよりも大切にするべきことが人生にはあるはずです。

そこを教えてあげることが教育のあるべき姿ではないでしょうか。

「おいべっさんと不思議な母子」 ーまとめー

これまで読んできた喜多川泰さんの本にも、学習に対する考え方が何度も登場しました。

今回もまた学びの意義について改めて考えさせられる内容でした。

この学びに対するポジティブなマインドを、私も少しづつ広げていけたら良いなと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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