はじバドミントンの試合直前、手が震えたり、心臓の鼓動がいつもより速く感じたり──そんな経験はありませんか?
練習ではできていたはずのショットが、いざ本番になると決まらない。相手の動きが気になって、自分のプレーができなくなる。
これらの多くは「緊張」によるものです。
そしてこの“緊張”に対抗する、もっともシンプルで効果的な方法が──呼吸です。
「えっ、呼吸なんて普段からしてるけど?」
そう思うかもしれません。でも、意識して呼吸を整えることで、メンタルの安定、身体のコントロール、そしてパフォーマンスの向上が得られるのです。
この記事では、バドミントンと「呼吸」の関係について、緊張対策・試合中の戦略・そしてパフォーマンス面から掘り下げていきます。
ぜひ最後まで読んでいただき、あなたのプレーに“呼吸”という武器を取り入れてみてください。めに
試合前の緊張、どう対処する?

「今日は勝ちたい」「ミスをしたくない」──
そんな気持ちが強くなればなるほど、試合直前の緊張は高まっていきます。手のひらは汗ばみ、呼吸は浅く速くなり、心はざわついたまま。気づけば、練習のときのような自分らしいプレーができなくなっている……。
そんなときこそ、深呼吸が力を発揮します。
深呼吸には、自律神経を整える効果があります。緊張や不安で優位になっている「交感神経」を鎮め、心と体を落ち着かせる「副交感神経」を働かせてくれるのです。
実際に、プロ選手の中にも試合直前に深くゆっくりと息を吸って吐くルーティンを取り入れている人は多くいます。
呼吸に集中することで、いまこの瞬間に意識を向けることができ、不安や雑念を手放せるのです。
大切なのは、“自然に任せる呼吸”から、“意識して整える呼吸”へと変えること。
試合直前の1分間だけでも構いません。胸ではなく、お腹を膨らませるようにゆっくり吸って、長く吐いてみてください。
「自分は大丈夫」
「いつも通りのプレーができる」
そんな気持ちを取り戻せるだけでも、試合の入りがまったく変わってきます。
深呼吸がもたらす3つの効果

試合前や試合中に“深呼吸”を意識することで、私たちの身体と心にはどのような変化が起こるのでしょうか?
ここでは、バドミントンプレイヤーにとって特に大きなメリットとなる3つの効果をご紹介します。
【心】緊張の緩和・メンタルの安定
呼吸を深くゆっくり行うことで、副交感神経が優位になり、過度な緊張や不安を鎮めてくれます。
心が安定すると、視野が広がり、冷静な判断ができるようになります。
これは試合中の“もったいないミス”や“気持ちの焦り”を防ぐ上でも非常に有効です。
【脳】集中力・判断力の向上
深い呼吸によって身体中に酸素が行き渡ると、脳にも十分な酸素が供給されます。
これにより、思考がクリアになり、戦況を冷静に読み取ることができるようになります。
たとえば、相手の位置や動き、ラリーの組み立てなど、瞬間的な判断を要する場面で大きな差が生まれるのです。
【身体】末端の感覚が鋭くなる
呼吸が浅いと、身体のすみずみまで酸素が行き渡らず、筋肉の動きも鈍くなってしまいます。
逆に、深呼吸で酸素をしっかり取り込めていれば、指先の感覚が冴え、ラケットワークの精度も上がるのです。
実際、ドロップショットの繊細なタッチや、ネット前での微調整が“気持ちよく決まる”感覚は、身体がきちんと酸素を受け取っている証とも言えるでしょう。
こうして見ると、呼吸は「精神」「脳」「身体」すべてに影響を及ぼす、まさに万能なツールです。
道具もお金もいらない。それでいて、パフォーマンス全体を底上げしてくれる──それが、深呼吸の力なのです。
試合中も使える「呼吸」の駆け引き

呼吸は、ただ自分を整えるためのものではありません。
相手の呼吸を“読む”ことも、立派な戦術のひとつです。
試合が進むにつれて、選手の体力は徐々に削られていきます。
そんな中で、相手の呼吸が浅く速くなっていることに気づいたら──それは攻め時のサインです。
呼吸が乱れているということは、それだけ体力的にもメンタル的にも追い込まれている証拠。
このタイミングでラリーを長引かせたり、コーナーに振ったりしてプレッシャーをかけると、ミスを誘える確率が高くなります。
逆に、自分の呼吸が乱れていることに気づいたら、それを相手に悟らせないように整えることが大切です。
わずかな間合いで深呼吸を一回入れるだけでも、プレー中のリズムが変わります。
また、サーブ前やラリーの切れ目に**「意識的に呼吸を整える」**ことで、落ち着いて次の1点に集中できるようになります。
これはミスを引きずらないためにも非常に効果的です。
試合は技術の勝負であると同時に、「見えない心の駆け引き」でもあります。
呼吸はその駆け引きの中でもっとも繊細で、しかし強力なツールなのです。
おすすめの1冊『呼吸を変えると、人生がよくなる』
ではここで、私こーたろーが勧める呼吸系の書籍を紹介しましょう。
呼吸には人生を変える力が秘められています。呼吸が持つ潜在的な力を最大限に引き出し、バドミントンのパフォーマンスアップにつなげていきましょう。
もしあなたが私と同じシニアプレイヤーであれば、なおさら呼吸を整える必要があるでしょう。色々と無理ができない年齢だからこそ、身体の内側からケアをするのはとても大事な取り組みです。
まとめ
バドミントンは、スピード・反射・判断が問われる瞬間の連続。
そんな緊張感のあるプレーの中で、“呼吸”を味方にできるかどうかは、勝敗を分ける大きな鍵になります。
深く呼吸をすることで、心は落ち着き、脳はクリアになり、指先まで酸素が行き渡る──
これは単なるリラックス法ではなく、立派なパフォーマンス向上の技術なのです。
そして試合中には、自分の呼吸を整えるだけでなく、相手の呼吸を“読む”ことでチャンスを掴むこともできます。
呼吸に意識を向けることは、メンタルのコントロールと戦略の両面でプレーを支えてくれるのです。
試合前、試合中、そして練習の合間に──
たった一呼吸で、あなたのプレーは変わり始めます。
まずは、深く吸って、長く吐く。
そんなシンプルな一歩から、“呼吸”という武器を、ぜひあなたのバドミントンに取り入れてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント