【嫌われる勇気】要約と感想│ビジネス書│自己啓発本│書評│

📚読書

アドラー心理学を基にしたベストセラー自己啓発本です。人間関係に悩む人や、自分を変えたいと思っている人にはお勧めです。

この本は有名であるが故に、ネットでは様々な評判が出回っています。

ちなみに「積極的に人に嫌われろ」と言いたいわけではありませんので、そこを勘違いしないでくださいね。

読めばこのタイトルを付けた理由が判ります。

読んでみる価値は大いにあると思うので、読んで自分がどう感じるのか、価値観に変化があるかどうかを試してみるのはお勧めです。

本記事では個人的に印象に残ったポイントを中心に、感想を交えながら要約していきます。

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本書の目指すところ

「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という壮大なテーマに対し、シンプルかつ具体的に答えようとしています。

その基となるのがアドラー心理学というあまり聞きなれない学問で、欧米では人気の心理学なんだそうです。

読んでみると、そんな捉え方もあったのか、という新たな発見があり、人間の思考は意識してないと凝り固まってしまうのだなと実感しました。

この本を読むことで考え方や価値観に多様性を持たせ、人生に対して少しだけ前向きになれると思います。

トラウマを否定する

アドラー心理学ではトラウマを明確に否定しています。

本書では引きこもりの例を基に原因論目的論という二つの考え方を対比しています。

引きこもる理由は過去に辛い経験があって、それがトラウマとなっているからだとする原因論。

一方で目的論は、「外に出ない」という目的のために引きこもっている、という考え方です。

これだけで多くの人は「は?」と思うかもしれません。

問題は過去に何があったかではなく、どう解釈したか。

もし本当に変わりたいと思うのならば、原因論ではなく目的論に基づいた思考にならざるを得ない。

結局過去のことを気にしていても何も始まらないので、ではこれからどうしていくか?を考えるのが建設的でしょ、ってことですね。

起こってしまったことをうじうじ気にしてても何も始まらないですもんね。

今ここを生きる!まさにその通り。

全ての悩みは対人関係

先ほどの引きこもりの例で言えば、なぜ「外に出ない」という目的を掲げているのか。

例えばそれは他者から嫌われ、対人関係のなかで傷つくことを過剰に恐れているからです。

つまり他者との関係の中で傷つかないことが目的だったんです。

アドラーは「人間の悩みは、全て対人関係の悩みである」と言い切っていたそうです。

悩みの種でよくあるのは劣等感です。

これは他人と自分を比較した結果感じるものですから、つまり対人関係の悩みそのものなんですよね。

私もこのサラバドブログを始める前や始めた直後は、色々なブロガーさんのブログを拝見し、「すごいなぁ」「自分はこんなに上手くできないや」などと悲観的に思ったことが多々ありますね。

この本を読んでからはそんな対人関係の悩みもあまり深く考えず、

昨日の自分よりも今日の自分、今日の自分よりも明日の自分、という考えを大事にして、他者と比較せずにゆるくブログを続けています。

他者の課題を切り捨てる

アドラー心理学では、承認欲求を否定しています。

他者の期待を満たすために生きているわけではない、他者の期待を満たす必要は無い。

さらに「課題の分離」という考え方があって、自分の課題と他者の課題を切り分けて考える必要があると言います。

例えば、人は周りの人にどう見られるか、そしてどう思われるかがとても気になりますよね。

会社であれば上司の評価が昇給昇進につながるので、非常に重要な要素となります。

ただアドラー心理学的に言えば、上司が自分をどのように評価するのかは上司の課題であって、自分の課題ではない。

上司の期待を満たすような生き方は本当の自分の人生を生きているとは言えない。

理想的でシンプルな考え方ですが、現実問題、承認欲求無しでは組織ではなかなか生きていくことは難しいと思いますね。

あくまでバランスが大事なのでは、と私は思います。

共同体感覚

対人関係の出発点が「課題の分離」だとすれば、ゴールは何か?

それは「共同体感覚」だと言います。

他者を仲間だとみなし、そこに「自分の居場所がある」と感じられることを共同体感覚と言います。

ふたりの人間がいたらそこに社会が生まれ、共同体が生まれる。

共同体感覚を理解するためには、自己への執着を他者の関心に切り替える必要があります。

自分にしか興味がなく、承認欲求にとらわれている自己中心的な人は課題の分離ができていません。

一方で、他者からの評価におびえている人もまた自己中心的だと言えるでしょう。

誰しもが共同体の中心にいるわけではなく、あくまで一部であるということ。

自分が自分が、という考え方ではなくて、共同体に対して自分は何ができるだろうか?ということを意識しろということですね。

例えば人間関係でも与えられることばかり考えて、与えることを蔑ろにしてしまいがちですが、積極的に与えることを意識したいものですね。

他者貢献

自己への執着から他者への関心に切り替え、共同体感覚を持てるようになること、そこで必要になるのが次の3つです。

重要な3つのキーワード

① 自己受容

② 他者信頼

③ 他者貢献

①自己受容は、ありのままの自分を受け入れるということです。

自己肯定だと、できもしないのに「自分はできる」と自分に暗示をかけたりすることになります。

そうではなく、自分に嘘はつかず、できないならできるように頑張る、という考え方です。

続いて②他者信頼です。

「信用」と「信頼」って似てますよね。この二つは何が違うのか?

「信用」とは、過去の実績や行動を評価して受け入れること。

「信頼」とは、相手の能力や人柄を信じて頼りにする未来志向な考え方です。

世の中善人だけではないので、なかなか人を100%信じることは難しいとは思いますが…

そして③他者貢献です。

これは共同体にコミットし、自分が誰かの役に立っていることを実感する。そうすることで自分の存在価値を受け入れることができます。

自分はここにいていいんだという所属感を得ることができます。

社会に出て働くということはつまりこれが本質なのかもしれません。

どんな仕事であれ、誰かの役に立っていると思えたとき、そこに仕事のやりがいが生まれますよね。

とても大事な考え方だと思いました。

まとめ

自己啓発本全般に言えることだと思いますが、この本に書かれている内容全てを信じて実行する必要は無いと思います。

あくまで考え方、価値観の一つであって、それを読者一人一人がどう受け取るか次第だと思います。

なので、良いところは活用し、賛同できないところは無理にその通りにしなくても良いと思います。

なんならこの本を読んで少しでも前向きな気持ちになれれば、それだけでも読んだ価値があると言っても良いと思います。

人生に悩む人の一助になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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