YONEXニューオフィシャルの10年後の価格を予想してみた│バドミントン

🏸バドミントン

現在、世界的に物価上昇が進んでおり、様々な原材料の価格が高騰しています。

バドミントン用品も影響を大きく受けています。

特にシャトルは消耗品なので、バドミントンプレイヤーにとっては最も影響が大きいのではないでしょうか。

このまま物価上昇が収まらず、この先もシャトルの価格が高騰していった場合、いつ頃いくらになるのか?と気になったので、

過去の推移から10年後の価格を予想してみようと思います。

また我々が取れる対策や、バドミントン界全体として取り組むべきアクションについて、検討してみます。

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結論

先に結論から申し上げると、

10年後にはYONEXニューオフィシャルは今よりも1200円値上がりしていると推測します。

メーカー提示価格は税込み6,853円。これは税率10%で試算しているため、この先10年以内に増税があった場合、さらに上振れしてしまいます。

とはいえ、ここで言う価格はメーカー提示価格であって、

バドミントン専門店等ではここから20%程度割引されて販売されているので、

実際に店頭で出している金額とは乖離があることはご承知おきください。

では次項より、10年後に1,200円値上がりという試算の説明と対策についてお話します。

ニューオフィシャルの10年後の価格試算

ニューオフィシャルの10年後の価格を予想するために、まずはこれまでの価格の推移を調査します。

ネットで調べた限り、過去10年間で少なくとも3回は価格改定されています。

また最新情報では2023年4月1日に価格改定が予定されているため、このトータル4回の価格改定から価格上昇のトレンドが分かり、10年後の価格を予想することができます。

グラフを作成しました。

横軸は2011年4月1日を0日とした経過日数。

縦軸はニューオフィシャルの単価(ここではメーカー提示価格で税込み金額です。)

過去は2013年4月1日までは価格改定がはっきりわかっているのですが、それ以前はいつ改定されたか不明でした。

ただ2013年4月1日以前は税込み4,200円だったということはわかっているため、ここでは仮に2011年4月1日に改定があったとしました。

価格のプロットから近似直線を引き、y=ax+bの傾きaから10年後の単価を予想することができます。

ただし前提として、今後もリニアに(直線的に)単価が上昇すると仮定した場合です

すると10年後の2033年4月1日にはニューオフィシャル1本がなんと6,853円と試算することができました。1本約7,000円とは、驚きますね。

バドミントン専門店での販売価格がここから約20%割引されると仮定すると5,582円/本。

1ダース12個入りなので465円/個です。

一回の練習でニューオフィシャルを一人2個使用した場合、930円かかることになります。

10年間で1,203円値上がりしている事実は、1年間で120円の値上がり。

つまり1年でシャトル1個10円値上がりしていると言えます。まさにチリツモですね。

シャトルの価格高騰への対策

価格が高騰しているのはシャトルだけではないですが、影響が最も大きいのは間違いなくシャトルです。

シャトルの価格高騰に対する防衛策を策定することが、我々一般ユーザーにとって最も優先度の高い課題だと考えます。

ではどんなアクションが取れるでしょうか?我々一般ユーザーが取れるレベルの対策と、バドミントン界全体として取り組むべきアクションに分けて考えてみました。

一般市民ユーザーが取れる対策

専門店で購入する

上述の通り、専門店の販売価格はメーカー提示価格よりも20%程度安くなっていることが多いです。

大手スポーツ用品で購入するよりもお得に入手できるので、なるべく専門店を活用したほうが良いです。

電子マネーで購入する

店頭もしくはネットでシャトルを購入する際は、電子マネーを積極的に利用しましょう。

例えばPayPayならば0.5~1.5%程度ポイント還元されたり、不定期に開催されるボーナス企画があり、上手に利用すれば通常よりもお得に入手可能です。

練習を断捨離する

例えば週に3回練習しているなら、質の高い2回の練習に絞って参加し、

残り1回の練習の代わりにお金のかからないトレーニングに代替する。

とりあえず羽根を打ちたいからという理由で体育館に行っている方はいないでしょうか?

もし惰性で参加している練習があって、たいして得られるものが無い場合、

その練習は切り捨てて別の時間に充てたほうが、かえってプラスに働くこともあります。

社会人となり歳を重ねるごとに、練習に充てられる時間も限られてきます。

無駄を省いて練習に取り組むことで、かえってシャトル代の節約になるでしょう。

バドミントン界全体として取り組むべき対策

シャトルの原価構造を明らかにする

メーカー各社は当然取り組んでいると思いますが、シャトルの原価構造を理解する必要があると思います。

材料高騰や人件費高騰等いろいろとコストアップ要因があると思いますが、

まずは現状把握として、ボトルネックを知るべきです。

容易に想定できる範囲では、原材料の高騰はシャトルの材料であるガチョウの単価、あるいはガチョウの飼育代等も影響がありそうです。

一方人件費はシャトルの製造国である中国の人件費の高騰が挙げられます。

果たしてほかに原因は無いのか?と網羅的に考え、まずは現状を理解する。

そこからとれる対策に真剣に取り組んでいく必要があると思います。

異業種間でコラボしながら最適解を探していく

シャトルの材料や製造方法、あるいは製造場所等、異業種の知恵をもらいながら最適解を探していくという方法もあると思います。

・ AIの力で人件費を削減できないか。

・ 3Dプリンターでシャトルを自動で作れないのか。

・ 中古シャトルを復元させる技術、匠の技を生み出し育てる。

・ 今後は円安の時代が来ると想定し、製造場所を中国から国内に戻し、国内で雇用を創出する。

様々な立場の人からアイデアを出してもらい、メーカーが協力して取り組んでみると面白いと思います。

ワールドツアーや国内大会で使用した一種検定品をリサイクルする

国内外の大会で使用されるシャトルはいわゆる一種検定と呼ばれる検定合格品です。

YONEXのニューオフィシャルも一種検定品で、この検定合格品は比較的耐久性に優れていますが、当然価格も高額になります。

国内外のトッププレイヤーは真剣勝負で精度の高いラリーを繰り広げています。

ほんの少しの羽根の損傷も飛びに影響を及ぼすため、試合中に頻繁にシャトルを交換します。

それ自体は悪いことではないのですが、そのような最高峰の大会で使用したシャトルは、一般ユーザーから見たらほぼほぼ新品の状態に近いのでは?と思います。

もしそうであれば、中古シャトルを安価で市場に流通させ、もっとボロボロになるまで一般ユーザーが使い切れば、

多くの関係者がWin-Winとなりますし、SDGs的にも適した取り組みと思います。

現状、大会で使用したシャトルはその後どのように処分されているのか気になりますね。

もしかすると一部の団体に寄付されているのかもしれませんが、もっと広く活用されることを個人的には望みます。

まとめ

今回はYONEXニューオフィシャルの10年後の価格を予想し、そこから我々やバドミントン界全体として取り組めるアクションプランについて考えてみました。

今後、シャトルの価格が下がることはおそらく無いと思います。

さらに物価は上昇し、日本人の給料は増えにくく、バドミントンにかけられるお金は厳しくなると予想します。となれば、早い段階で手を打っておきたいですよね。

もはやメーカーだけの問題ではなく、バドミントン界全体の問題として捉える必要があり、我々一般ユーザーも当事者意識を持ち、立ち向かっていかなくてはいけないと思います。

このブログをきっかけに様々な立場の方とつながり、意見交換し、前向きな取り組みにつながることを願います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

コメント

  1. 後藤隆史 より:

    【シャトルの10年後の価格予想】
    素晴らしい考察ですね。勉強になります。
    私も何故短期間で値上がるかなと考えていました。
    ①ガチョウの単価、飼育代等、
    ②人件費の高騰、
    ③コロナのロックダウンの影響、
    なるほどなぁと思いました。
    現在の物価高騰にロシア・ウクライナ情勢が影響?
    円安進行も大きい?
    あと、上記以外に私は視点が違い、論外か思い違いと思われるかもしれないのですが、
    メーカーやショップさんでも消耗品以外の売り上げが落ちているようなことを
    聞きました。
    今現在はわかりませんが、コロナ禍で練習が出来なかった時期もあり、
    大会もなくなり、愛好者が辞めていく傾向もあったようです。
    ある市では・・連盟がなくなるくらいだそうです。
    というわけでメーカー・ショップを取り巻く情勢はかなり厳しいと感じました。
    ゲームシャツが売れず、大きなシェアである学生さん他がTシャツに走るという話も
    聞きました。今後回復に向かうと願っています。
    というわけでメーカーやショップで働く方々にとっては深刻な問題ですね。
    生き残るために、愛好者が買わざるを得ないシャトルや消耗品の値段を上げる策を
    とらざるを得ないのかなと考えてしまいました。私が経営者でもそう考えるかな。
    あと「練習を断捨離」質の高い練習にする、私にできるかどうかともかく共鳴します。
    私も週にあと1日、なにかしたい、シャトル打つのか、ジム系か・・・と悩んでいます。
    (とにかく足腰が弱い)
    あ、話を戻すと業界全体が「練習を断捨離」した場合、シャトルの消費量が減り、メーカー・ショップは売上・利益が減るということになるので、うーん、わからないのですが、上記の私の考えがあっているとするとまた値上がりにつなるのかな、なんて考えてしまいました。
    経済的というよりは経営的視点ですかね。
    長文になりすみません。概ね以上です。私おかしいかな(‘◇’)ゞ
    P.S.
    私の主催する練習会でも時々シャトルを2個出していただきますよね。お金に換算すると
    700~800円?で、+参加費ですから心苦しいというか高いなと感じています。

    • こーたろー サラバド より:

      後藤さん
      コメントありがとうございます。

      値上げの影響ですが、おっしゃる通り円安の影響もあると思います。
      基本的には原産国である中国からの輸入でしょうから、かなり影響を受けそうです。

      メーカーの売り上げについてですが、例えばYONEXの業績を見ると、2022年3月決算では増収増益で過去最高益とのこと、
      自己資本比率も60%を超えており安定した企業と言えそうです。
      バドミントン事業単体で見ると黒字なのか赤字なのかはわからないので何とも言えませんが。
      とはいえ今の物価高ではどうしても価格転嫁しなければ従業員を守ることも難しいでしょうから、おっしゃる通りこのシャトル値上げの流れは必然なのかもしれません。

      練習の断捨離がまたシャトルの値上げにつながる、という考えは確かに可能性ありますね。
      プレイヤーにとってはまさに負のスパイラルです…
      もういよいよバドミントン自体を断捨離しろと言っているのでしょうかね。

      後藤さんの主催する練習会に参加している方は、きっとシャトルを2個出してでも参加する価値のある練習だと思っているのでしょう。
      参加者にそんな貴重な価値を提供している後藤さんは何も心配する必要は無いと思います。

      • 後藤隆史 より:

        ありがとうございます。
        Y社さんはすごい延びているんですね。ただゴルフやテニスや釣り具?等いろいろやられているのでバド業界がどうかというのは確かにありますね。私からはショップさんは辛そうに見えました。値引きサービス(例えばカードポイントなど)をやめたり、在庫を持たなくなったり。
        あと私が高校生の頃、羽球がなくなるとよく言われていました。バドミントンの羽根の原料の仕入れの部分の仕組みはどうなっているのでしょうかね。シャトルも上質なものからそうでないもの、様々ですね。
        はぁー、そろそろ練習会から私が断捨離されるのではないかと、いや引くとき引かないといけませんね( ;∀;)。
        ありがとうございました。

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