近年、注目されているMBA。経営学修士です。
ビジネススクールに通ってその学位を取得しようとする社会人が最近増えているような印象があります。
そんな人気のMBAに役立つ書籍50冊をひとまとめにした、非常にありがたい書籍が本書になります。
MBAに興味がなくても、ビジネスパーソンであれば読んでおいて損は無い一冊になっています。
基本情報
マーケティング戦略コンサルタント。慶應義塾大学工学部卒業。日本IBMに入社しマーケティングマネージャーや人材育成責任者を担当。2013年に日本IBMを退社しウォンツアンドバリュー株式会社を設立。執筆の傍ら、企業への戦略策定支援や「永井経営塾」を主宰。2002年多摩大学大学院MBA修了。主な著書に、『世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた』のほかシリーズ60万部突破!『100円のコーラを1000円で売る方法』(KADOKAWA)など多数。
引用Amazon
50冊を1冊にまとめてみたシリーズは今回が3作目。
私はこの3作目がシリーズ初でした。
恐らくどれも骨太な書籍だと思うので、そんなボリューミーな書をシリーズ3部作分、計150冊読んでいる著者の永井さんはとてつもない読書家ですね。
誤解されやすい「欲求のピラミッド」
アブラハム・H・マズローの「完全なる経営」に登場する有名な概念である「欲求段階説」。
多くの人がその真意を理解していないと言います。
一般的な理解は、「欲求には5段階ある」というものですが、実は「2段階である」という考えのほうが正しいようです。
従来の考えにおけるピラミッドの下層4段に当たるのが「欠乏欲求(D欲求)」と言い、生理学的な本能に基づくものです。
一方でピラミッドの頂点にあたるのが「存在欲求(B欲求)」です。
「自己実現の欲求」という考え自体は変わらないですが、存在そのものに関わる欲求。よりよい社会を目指すものです。
つまり自分ができる最大限のことをして、自分らしくなっている状態を目指すということです。
このような「自己実現を目指す人」をマズローは「よい人」と定義しているようです。
いや、難しい。難しすぎますね。私はまだ完全に理解できていません。
一度はしっかり読んでおきたいです。
コーチングとティーチングは似て非なるもの
エリック・シュミット他の「1兆ドルコーチ」は、近年流行しつつある「コーチング」のバイブル的一冊です。
コーチングと勘違いされる考えとしてティーチングがあります。
本書の言葉を用いて両者の概念を紹介します。
コーチング:その人が必要な答えは、その人の中にある
ティーチング:その人が知らないことを教える
つまり考え方が真逆なんですね。
コーチングは相手に問いかけて、相手の中にある答えを引き出します。
コーチングは互いの信頼関係が構築されているからこそ機能するものです。
まずは相手に関心を持ち、相手を大切に想うことから始めましょう。
会計がわからず経営はできない
稲盛和夫氏の「稲盛和夫の実学」では企業における会計のポイントを掴むことができます。
なるほどと思ったのは、会計には2種類あるという話です。
1.管理会計 社内の業績を把握し評価するための会計
2.財務会計 業績を社外の投資家に報告するための会計
「稲盛和夫の実学」では管理会計に関して語られているそうです。
社内には変動費と固定費があります。経費削減としてこれらを抑えるようにと上司から言われることもあります。
筋肉質の経営をするためには、資産をスリム化して固定費を下げる活動も必要だと稲盛氏は主張しています。
「棚卸」では経営者が資産を自分の目で見て、必要かどうかを判断する。
積極的に除却して経費計上し、固定費を下げる努力をすべきだと言います。
私もサラリーマンとして資産の棚卸をし、除却するかどうかを検討する機会がありますが、
我々のこうした一つ一つの判断が経営にどのような影響を及ぼすのかを理解するために、本書は読んでおきたい一冊だと思いました。
まとめ
本書で取り上げられている50冊のうち、どれか1冊をしっかり読み込むために必要な時間は、50冊が1冊にまとめられている本書を読むよりもおそらく時間がかかるでしょう。
つまり少なくとも50倍のタイムパフォーマンス向上が期待できます。
とにかく忙しいビジネスパーソンや、どれを読んで良いかわからない、という人にとっては大変お勧めの本です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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