多くの企業で取り入れられている「フィードバック」、皆さんはしっかり出来ていますか?
フィードバックをする人もされる人も、一度は読んでおいたほうが良い、教科書的な一冊を今回紹介します。
基本情報
当ブログではお馴染みの?中原淳さんです。
私は中原さんの本が大好きで、これで4冊目?です。
人材開発への興味が高いからなのかもしれません。
ビジネスパーソンであれば読んでおいて損はないです。
フィードバックは二つの要素から成る
本書の特徴は、フィードバックを二つの側面からしっかり解説してくれている点です。
1.科学知 部下育成やフィードバックの基礎的な理論、学問的な知見
2.実践知 現場のマネジャーからヒアリングを通して抽出した実践的な知見
「科学知」としては、まずはフィードバックの理論をしっかり頭に叩き込んで、フィードバックとは何か?を体系的に学ぶことができます。
「実践知」においては、マネジャーのリアルな体験談が語られており、参考にできる部分が多いです。
マネジャーの本音ってなかなか聞きづらいので、こうした生々しい声は貴重だと思います。
勤め先が用意するフィードバック研修を受けるよりも、この書籍をしっかり読み込むほうが、私は圧倒的に理解が進むと思っています。
ティーチングとコーチングを包括する
下記の書籍では、ティーチングとコーチングの違いを紹介しました。
フィードバックはこれら二つを含む概念です。
現場の多くのマネジャーはおそらくこのあたりは意識していないかもしれません。
部下育成に対して責任を持ち、これらの違いをしっかり理解したうえで、フィードバックを行うべきですね。
フィードバックは鏡のように
本書ではフィードバックのテクニックが書かれています。
その中で特徴的なのが「鏡のように淡々と事実を述べる」ことが挙げられています。
例えば、問題行動を改善してもらうために厳しい指摘をする。
その後、相手に感情移入してしまい、ついつい優しい言葉を投げかけてしまう。
そうすると後から発したポジティブな言葉が印象に残ってしまい、本来指摘したかった事が頭に残らなくなってしまうのです。
フィードバックする側も人間ですから、フォローを入れたくなってしまう気持ちが湧いてくるでしょうが、ここは感情を抜きにして事実を述べることに徹するのが良いんですね。
フィードバックで成長を実感する
フィードバックを受けるということは、ある程度痛みを伴う行為になります。
自分の改善すべき点を理路整然と述べられて、ショックを受けてしまう人もいるでしょう。
ただ、自分を変えるには、ある程度の痛みは覚悟する必要があります。
当ブログでも何度か登場した、ストレッチゾーンとコンフォートゾーンの話と同じです。
最近痛みを感じてないなと思ったら、そこはコンフォートゾーンであり、成長が止まっています。
もし自分に正直にフィードバックをしてくれる人がいれば、大事にすべきです。
積極的に指摘してもらい、痛みを感じてぐんぐん成長していきましょう。
まとめ
今回は本書のごく一部を簡単に紹介しました。
多くの企業では管理職になって急にフィードバックする側になる人がほとんどです。
その場合、一度か二度程度、フィードバック研修を受けて終了ではないでしょうか。
私はその程度では部下育成、人材開発にコミットできないと思います。
フィードバックをするマネジャーやリーダーは本書を読んだほうが良いです。
それぐらい腰を据えてフィードバックについて学び、責任を持つ。
人の上に立つ者としてそのような誠実さが必要だと私は考えます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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