【苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書き留めた「働くことの本質」】紹介と感想│ビジネス書│自己啓発本│書評│

📚読書

本書は日本を代表するマーケター森岡毅さんが、自分の進路に悩む娘さんに宛てて書いた、「虎の巻」です。

娘さんのために書いたとは言え、就活に悩む若い世代、あるいはキャリアに悩む全ての人に役立つ内容です。

森岡さんはP&Gでマーケティングのスキルを磨き、その後業績不振に陥っていたUSJを再建させたことで有名な方です。

そんなスーパーマーケターである森岡さんのキャリアに対する考え方を学ぶことができる素晴らしい書籍です。

自分のキャリアに自信が持てない時に読むと、森岡さんが励ましてくれているかのような気持ちになり、勇気を持つことができます。

今回はそんな本書について、サラバド的に印象に残ったポイントを紹介したいと思います。

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軸を持とう

就職活動では多くの学生が会社選びに苦労をします。

そもそも自分がどんなことをやりたいのかが判りません。

<span class="fz-16px">サラバド</span>
サラバド

私も学生時代、将来やりたいことなんて明確に無くて、惰性で就活をやったなぁ

もっと世の中を知り、多くの職種や企業に関する情報を得ていれば、就職活動に悩むことは無いのでは?と思うこともあるでしょう。

しかし問題の本質はそのような外ではなく、自分の内側にあったんです。

つまり、自分の中に「軸」がないからやりたいことが判らず、迷子になってしまうのです。

自分はどんな性格で、強みは何で、何が得意なのか、何が好きなのか、という自己分析がしっかりできていれば、自ずと進むべき道が開けてくる、ということだと解釈しました。

自己分析と言えば、以前当ブログで紹介した書籍に登場したFFS理論が有効です。

自分がどんな人間で、どんな価値観を大切にしているのか、ということを早い段階で理解しておくことが大切なんですね。

自分の宝物

人は家庭でも学校でも会社でも自分以外の誰かと比べられてばかり。

自分自身でも他人と比較ばかりして凹んだりすることありますよね。

そんなことをしていると、いつからか自分の中にある「宝物」を見失ってしまいます。

「宝物」とは一体なんでしょう。

それは成功を生み出す強みのことです。

成功は必ず人の強みによって生み出されるものであって、決して弱みからは生まれません。

「宝物」は誰しもが持っています。

そして同じ特徴が「宝物」になるか、弱点になるかを決めているのは文脈である、と森岡さんは言います。

つまり、「空気を読めない」という特徴は、別の文脈では「場に流されず、自己主張がしっかりできる」という宝物になる。

要は捉え方次第だということです。

同様の考え方が「不安が覚悟に変わる 心を鍛える技術」という書籍にも書かれていました。

別記事で紹介しているので、参考にしてみてください。

自分では弱点だと思っていても、見方を変えれば強みに変わることって結構ありそうですね。

私もネガティブマインドから脱却し、ポジティブシンキングで見る癖をつけたいと思います。

強みを見つけるノウハウ

本書では、自分の中にある強みを見つけるノウハウを教えてくれます。

その方法とは、今まで自分が好きだった「~すること」を実際に書き出すことです。

強みとは、自分が好きなことをしている文脈から見つけ出すことができます。

具体的な流れを以下に説明します。

強みを見つける方法
  • STEP1
    ポストイットにひたすら自分の好きな動詞を書いて、A4の紙に貼る

    必要なのは動詞。名詞はいらない。例えば、考えることが好き、等。

  • STEP2
    書き出した動詞の集約と仕分けをする

    T属性、C属性、L属性の3つのカテゴリに分類する。

  • STEP3
    自分がどの属性が優位か確認し、強みを理解する

    自己理解をすることで、自分が将来進むべき道が見えてくる。

この方法によれば、強みをもとに人の特性をを3つに分類しています。

ざっと紹介するので、自分のTCLはどんなバランスか、確認してみてください。

Thinking Tの人Communication Cの人Leadership Lの人
好きなこと考えること、問題を解くこと、人と議論をすること、勝つための作戦を考えること、計算すること、勉強すること、研究すること、分析すること、知ること、予想を当てること友達が増えること、人と会うこと、話すこと、話を聴くこと、SNSで多くの人と繋がること、人が集まるところに参加すること、人に人を紹介すること、オシャレを楽しむこと何かを達成すること、目的を定めて挑戦すること、仕切ること、変化を起こすこと、自分で決めること、人を引っ張っていくこと、責任ある役割を担うこと、人の世話を焼くこと
特徴的な趣味戦略系ゲーム、将棋、チェス、囲碁、読書、プログラミングSNS、パーティーやゴルフ、旅行などのイベント、ファッション、グルメ情報ランニング、ジム通い、トライアスロン、ストイックなもの
向いている職種ファイナンス、コンサルタント、研究職、各種の士業、アナリスト、マーケティング、企画系プロデューサー業、営業職全般、PR/広報、交渉人、広告代理店、ジャーナリスト、政治家管理職、経営者、プロジェクトマネージャー、プロデューサー、研究開発リーダー

私サラバドはジム通い、バドミントン=ストイック?なので、となるとL属性が強い、ということになります。

ただし、サラバドブログ内では本のレビューもやっておりますので、T属性もありそうです。ふむふむ。

<span class="fz-16px">サラバド</span>
サラバド

私はかつて研究職に就いていたことがありました。そうゆう意味では、この分類は確からしい!

自分をTCLの属性に分類し、どの強みを伸ばせば良いのか知ることで、進むべき方向性が見えてくる!

刺さったフレーズの紹介

本書のボリューム感は圧倒的です。

また読み進めるたびに森岡さんの情熱がビンビン伝わってくる。

そのバイタリティーが読者にも伝染してしまいそうな、凄まじい勢いを感じました。

森岡さんの名言が随所に散りばめられていますが、今回のレビューでは全てを紹介しきることができません。

というわけで最後に、心に刺さった、印象に残ったフレーズをいくつか紹介しようと思います。

そのフレーズを見て何かを感じ取るだけでも、本書を読む価値は大いにあると思います。

不正解をつかんだ原因の大半は、自己分析不足に起因している。

引用:苦しかったときの話をしようか

“勤勉さ”こそが日本人の最大必須の強みなのに、猛烈に働かなくてどうするのだ?

引用:苦しかったときの話をしようか

長いキャリアにおいては、逃げても良いときと、逃げてはいけないときがある。

引用:苦しかったときの話をしようか

人間は、気持ちよくなるとすぐに成長を止めてしまう生き物だ。

引用:苦しかったときの話をしようか

人はどういうときに最も苦しいのか?それは、働いて働いて、死ぬほど忙しいときでは決してない。…中略…

人が最も苦しいのは、自己評価が極端に低くなっているとき、自分自身で自分の存在価値を疑う状況に追い込まれたときだ。

引用:苦しかったときの話をしようか

失敗しない人生そのものが、最悪の大失敗ではないのか?

引用:苦しかったときの話をしようか

本書の終盤は名言のオンパレードでした。

気持ちが沈んだときに本書の終盤だけでも読めば、「また頑張ろう!」と思えること間違いなしです。

まとめ

今回は日本を代表するマーケター森岡毅さんの名著、「苦しかったときの話をしようか」をレビューしました。

森岡さんの苦しかったときの話は今回全く触れませんでしたが、どれも衝撃的なエピソードでした。

どんな修羅場を潜り抜けてきたのかは、ぜひ書籍を読んでみてご自分の目で確認してください。

猛烈に働き、修羅場を潜り抜けてきた人の言葉は重く突き刺さります。

全員が全員、森岡さんのような強いメンタルでゴリゴリ働け、と言いたいわけでは決してありません。

我々読者は、特にリスクを負うこともなく、森岡さんの修羅場を疑似体験することができるので、とてもラッキーです。

森岡さんのような立派な先人から学び、人生を豊かにしていきましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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