今回も私が絶賛はまり中の喜多川泰本を紹介します。
出版されたのは2007年と、今から10年以上も前になりますが、考え方は普遍的でいつ読んでも参考になりますし、相変わらず勇気をもらえます。
基本情報
発売日:2007年8月15日
ページ数:256ページ
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
著者:喜多川泰さん
あらすじ
主人公は平凡な大学生。将来へ漠然とした不安を感じており、就職活動に本気になれずにいました。
ある日書斎カフェに立ち寄り、カフェ内にある特別な席に憧れを抱くようになります。
カフェからの誕生日特典として、その席を特別価格で利用できるチケットをもらい、彼は早速利用することに。
その席で見つけたのは「手紙屋」という変わったサービスのちらし。
「手紙屋」は希望する人と10通の文通をしてくれる職業で、主人公は悩んでいる就職活動と自分の将来のことについて文通を始めてみることに。
「手紙屋」との文通でどんどん変わっていく主人公。その変化が本書の最大の魅力だと思います。
主人公と同じように就職活動に悩みを抱えている人や、自分が今やっていることに疑問を感じている人は、本書を読んで心に刺さること間違いなしです。
部屋の掃除と自分磨きは同じである
部屋は掃除をすると綺麗になります。これは当然です。
ただし一日も経てば埃をかぶってしまいますよね。
だから掃除は毎日小まめにしておかなければいけない、と誰しもが頭では理解しています。
これはまさしく自分磨きと同じ理屈です。
誰かにありがたい言葉をかけてもらった、あるいは人生を変えるような本と出会った等のきっかけでモチベーションが上がることがあります。
ただし部屋の埃と同じで、その後放置しておけばまたすぐに堕落してしまいます。
つまり部屋の掃除や自分磨きは、習慣化しなくては意味がないのです。
良い本と出会ったら、読書を習慣化しましょう。
読書は自分磨きのツールとしては最適です。
私も一生続けていきたいと思っています。
人は慣性の法則に従っている
「慣性の法則」は理科の授業で一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
止まっている物質は止まり続けようとする。動いている物質は動き続けようとする物理現象のことです。
実は我々人間も油断するとその慣性の法則に従ってしまいます。
つまり、「止まっている人は止まり続けようとし、動いている人は動き続けようとする」のです。
これは当ブログで過去に紹介した、「人間は変化を嫌う生き物」「コンフォートゾーンとストレッチゾーン」の話そのものです。
定期的に自分の現在地を見直し、その場に安住していないかどうかを確認したいですね。
どうせ慣性の法則に従うのなら、私は動き続ける人生にしていきたい。
会社は法人という「人」である
一般的には会社のことを「法人」と呼びます。つまり「人」とみなすことができます。
「法人」にも人生があり、色々な出来事がある。この世に生まれてやがてその人生を終える日が来ます。性格や個性もある。良いときもあれば悪いときもある。
就職をするということは、そんな「法人」の一員になる、つまり自分が身体の一部になると考えることができます。
それはどういう事か?例えば法人の脚の細胞になるとする。上司からの指示、つまり脳からの指令で長距離を走り続ける時もあるかもしれません。
そのための栄養と酸素が供給されて当然かと思うかもしれませんが、法人だって何があるか判りません。まともに食事が取れない事態に陥れば、我々に栄養が行き届かなくなるでしょう。
ここで言う栄養と酸素は、給与に相当すると思っていいかもしれません。
つまり与えられて当然と思ってはいけないということです。
自分は組織の一員であり、他者に貢献しているからこそ栄養と酸素をもらえているということを忘れてはいけません。
健康な法人でいられるように、脚としての自分ができることを探し、それこそ筋肉質な経営の助けとなるように意識していきましょう。
まとめ
・部屋の掃除と自分磨きは習慣化するべし
・慣性の法則に従い、動き続ける人生にしよう
・労働者は会社という法人の人間の一部であると考えれば、人間の営みに貢献することは自然である
この「手紙屋」は、働く意義について真剣に考えさせられる内容です。
それでいて物語としてもよく出来ていて、クライマックスで明かされる手紙屋の正体に驚くこと間違いありません。
読み進めながら手紙屋の正体を推理していくのも楽しいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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