【ハロー・ワールド】紹介と感想│小説│書評

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今回紹介するのは、第40回吉川英治文学新人賞を受賞した藤井太洋さんの「ハロー・ワールド」です。

IT技術が進んだ現代ならではで、今こそ読むべき内容でしょう。

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基本情報

発売日:2021年3月12日

ページ数:305ページ

出版社:講談社

著者:藤井太洋

藤井太洋(ふじい・たいよう)

1971年奄美大島生まれ。2012年、ソフトウェア会社に勤務する傍ら執筆した長編『Gene Mapper』を電子書籍で個人出版し、同年のKindle本「小説・文芸部門」で最多販売数を得て大きな話題となる。大幅な加筆修正をした増補完全版『Gene Mapper-full build』が2013年に出版された。2015年に『オービタル・クラウド』で第35回日本SF大賞、第46回星雲賞(日本長編部門)、2019年に本作で第40回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書として『アンダーグラウンド・マーケット』『ビッグデータ・コネクト』『公正的戦闘規範』『東京の子』『ワン・モア・ヌーク』『距離の嘘』などがある。

引用Amazon

著者の藤井さんは、なんと自分で専用の電子書籍販売サイトを作り、「Gene Mapper」w自力で販売していたそうです。

今でこそKindleで個人出版ができる時代ですが、Kindle以前に自作小説を販売してしまうなんて、とんでもないバイタリティというか先見性のある人だということが理解できます。

ちなみに私もKIndle本を出版しましたが、それでさえも何から何まで自分でやらなくてはいけないので、とても大変でした…

あらすじ

主人公はソフトウェアエンジニアの文椎(ふづい)泰洋(やすひろ)。

本作は繋がりのある5つの物語で構成されています。

1つ目の物語「ハロー・ワールド」では、ある日個人的に作成した広告ブロックアプリがインドネシアで売れ始める。その背景に隠された驚愕の事実とは?

別の物語では、主人公の泰洋はドローンの開発者として異国の地を訪れるも、過激なデモ運動に巻き込まれてしまう。

また仮想通貨を開発したことによって命の危険にさらされてしまう。

数々の出会いの末に泰洋は何を思うのか?とても読み応えのある内容です。

専門知識が無くても楽しめる

本書ではプログラミングや仮想通貨関連の専門用語がたびたび登場します。

とは言え、専門知識が無い人でも充分に楽しめる内容になっていると思います。

私は全くの無知でしたが楽しめましたし、逆に知らない世界を少し垣間見ることができ、学びが多かったです。

テクノロジーの脅威

たまたま作ったアプリが異国で思わぬ使われ方をしたり、ドローンをデモ運動に使われたり、開発者が意図せずとも利用されてしまう、それがテクノロジーなのだと読んでいて感じました。

IT技術は人々の豊かさを支える上で欠かせないものではあるものの、使いかたによっては人類を滅ぼしかねない非常に危険なものです。

下記の書籍では、人生・仕事の結果について語られています。

考え方(方向性)を誤ってしまえば、マイナスの結果になってしまいます。

IT技術も同様で、どのように使うかという考え方が大事ですね。

ハロー・ワールド ーまとめー

本書はフィクションでありながら、現実世界でも起こり得るような話でした。

そんなリアリティが没入感を助長し、どんどん読み進めることができました。

IT技術の進歩はきっとこれからも止まらないでしょう。

願わくば、世界平和と豊かな社会のために使われてほしいですね。

そんな今もIT技術の向上のため日夜頑張っているエンジニアにリスペクトです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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