政府が副業や兼業を推奨する世の中において、「稼ぐ力」を身に付ける重要性はますます高まってきている。
しかし従来通りの会社員脳では一向に稼ぐ力は身につかない。そこで強力な武器になるのが本書。
これを読めば自分の力で稼ぐビジョンが少し見えてくるかもしれない。
基本情報
発売日:2022年6月22日
ページ数:143ページ
出版社:幻冬舎
著者:今井孝
今井孝(いまい・たかし)
株式会社キャリッジウェイ・コンサルティング 代表取締役。1973年大阪生まれ。大阪大学大学院卒業。大手IT企業に約8年在籍し、新規事業を成功させる。独立1年後に始めたセミナーには、10年連続で毎回300人以上が参加。トータルでは、6千人以上になる。
引用Amazon
今のままですでに誰かの役に立てる
稼ぐこと=お金を生み出すこと。普通の会社員であれば大げさなことに聞こえるかもしれない。
何故ならば会社に雇われの身であればあまり深く考えなくても毎月賃金が支払われ、生活できるからだ。
お金を生み出すことというのは、魅力的なサービスを構築したり、偉大な製品を開発したりすることを思い浮かべてしまう。
しかし本書を読んで判ることは、そんな事は必要ないということだ。
自分のことを何も取り柄も無いと思っていても、人間の欲求を理解すればいくらでもお金を生み出すことができる。
今の自分と他人の欲求を繋げるヒントがきっと本書から得られるだろう。
価値は感情で決まるということ
ある人にとっては無価値に見える物でも、別の人にとっては喉から手が出るほど欲しい物かもしれない。
つまり物やサービスの価値や価格は「考えるもの」ではなく、「感じるもの」なのだ。
人間は満たしたい感情があるからこそ物やサービスにお金を支払うのである。
その感情とは、知的好奇心、感動、安らぎ、ときめき、癒し、色々と存在する。
これがお金の基本であり本質である。
お金を払う時は感情を満たすために無意識に支払っているが、逆にお金を生み出そうとするときはこの本質をしっかり抑えた上でアプローチする必要がある。
これはただ会社に雇われているだけでは、マーケターでもなければなかなか気が付かない側面だ。
もう一度森岡毅氏の書籍を読み返したくなる。
二つの価値について
お金を稼いでいない自分には価値が無い、と思う人もいるだろう。しかしこのネガティブマインドがさらにお金を稼ぐことを難しくしてしまう。
「価値」には「人間的価値」と「市場価値」の二つがあり、これらは全く違うということだ。
本書で取り扱っているのは後者の「市場価値」である。
いかにしてこの市場価値を高めるか、あるいは「気が付くか」について勉強することができる。
一方の「人間的価値」は自分が人間としてこの世に存在していることそのものの価値である。
この人間的価値は他人が決めるものではない。自分の価値は自分で決めるべきもの。
人間の価値について理解を深めたければ「嫌われる勇気」でも読んでほしい。
さて、これら二つの価値を混同して考えてしまうと息苦しくなってしまうので、確実に切り分けて考えるようにしたい。
そして本書で解説されている市場価値を高めるコツを愚直にこなしていけば、きっと誰だってお金を生み出すことができるのだろう。私も深く考えてみたい。
まとめ
お金を生み出すためのファーストステップが最も難しいと私は思う。つまり0を1にする作業だ。
0が1になれば、多少なりとも誰かの感情を満たした証拠だと捉えられる。
そこを起点に深掘りして行けば1を10に、10を100に増やしていくことはできるのかもしれない。
いずれにせよ、「人間の感情を満たすこと」が重要である。
結局は人間は欲や感情に左右されやすい生き物なので、そこを攻めていけば誰だってお金を生み出すことができるということだ。
羊飼いが羊を理解しているように、私も人間への理解を深める必要がありそうだ。
学びの多い一冊となった。
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