ピンク色の表紙に大きく「モテる読書術」と書かれた本書は、まずもって視線を奪われてしまう。
それだけで著者や出版社の思惑にまんまとハマってしまった可能性が高いが、読んでみたらとても共感できる内容ばかりで驚いた。
正直「モテる」とは名ばかりで、もっと真剣に人生を豊かにするようなメソッドが本書には書かれている。少し紹介していこう。
基本情報
発売日:2018年12月6日
ページ数:178ページ
出版社:すばる舎
著者:長倉顕太
長倉顕太(ながくら・けんた)
フリーパブリッシャー、マーケティングコンサルタント。
ベストセラー作家から上場企業まで手がける。
サンフランシスコ在住。
1973年東京生まれ、学習院大学卒。大学卒業後、歌舞伎町で働き、その後、カジノプロを目指し、渡米。帰国後はフリーターなどを経て、28歳のときに出版社に拾われ、編集者としてベストセラーを連発。その後、10年間で手がけた書籍は1000万部以上に。
現在は独立し、サンフランシスコと東京を拠点に、コンテンツ(書籍、電子書籍、オウンドメディア)のプロデュースおよび、これらを活用したマーケティングを個人や企業にコンサルティングのほか、教育事業(若者コミュニティ運営、インターナショナルスクール事業、人財育成会社経営)に携わる。
引用Amazon
どんな本なのか
著者の長倉氏は元出版社編集長で10年で1000万部の本を売ってきた経験を持つ。現在はサンフランシスコ在住で、多岐にわたる活動を行っているそうだ。
「コンテンツのプロデュース」という活動はイメージしづらいが、ホリエモンのような多動力を駆使したビジネスパーソンであることは容易に想像ができる。
さて本書はそんな長倉氏が「モテる読書術」として、読書がどれだけ人生を豊かにしてくれるかをプレゼンしている。
最初から最後まで読書に関する内容ではなかったりするが、それはそれで彼の人生観を物語っていて面白い。
1人の成功者の価値観を学ぶことができる、お得な本である。
本書のフレーズからの学び
知れば知るほど、知らないことに気づく
一言で言えば無知の知。読書を始めるといかに自分が無知であるかを思い知ることになる。だからこそ知らないことを知りたくなる。
そうやって芋づる式に知識の幅を広げていけば、今まで見えなかった景色を見ることができるだろう。
これまでの人生で知らないことがあること自体を知らなかった、という事実は恐怖でしかない。
多くの情報を取り入れ、感性豊かな人間でありたい。
いまある知識がなければ、新しい情報を理解することができない。その結果、読書に面白みを感じることができずに、脳は飽きてしまう。
この捉え方は共感できる。「モテる読書術」とふざけているように見えて、こうした直球を投げてくるところに好感を持てる。
読書を面白いと思えるかどうかは読者の教養や感性の豊かさが求められる。
つまり読書が習慣化していない人はこれらが欠如している恐れがある。
やはり読書は脳の筋トレだ。
多くの人が過去の延長線上の人生を送っている。去年と同じ今年、今年と同じ来年といったように毎年変わり映えしない人生だ。
私は会社員なので、この言葉は特に重みを感じる。
大体同じ毎日の繰り返し。土日を楽しみにしながら平日を乗り越える。
一見普通のように見えてこれは異常だ。そう感じつつも私も身動きがとれずにいる。
せいぜい読書、筋トレの習慣は継続し、このサラバドブログを立ち上げたぐらいだ。
長倉氏の言う通り、もっと動かなくてはいけないと思わされる。
まとめ
本書では読書のメリットを主張しつつ、読書で知識を増やすことで起こる日常の変化についても長倉氏の持論を展開している。
ギャンブルをやれ!なんて過激なことも書かれているが、何故そうなのかはぜひ本書を読んで確かめてほしい。読んだ結果、合う合わないは読者の判断次第だが、多様な価値観を学ぶという意味では本書は有益だ。いっそのこと長倉氏の価値観を盗んで自分のものにしてしまっても良いだろう。
モテる読書術、劇薬かもしれないが、ありふれた日常に刺激をもたらしてくれるスパイスのような一冊だった。
コメント