【USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門】要約と感想│ビジネス書│自己啓発本│書評│

📚読書

この本は日本を代表するマーケターである森岡毅さんが書かれた書籍で、

ユニバーサルスタジオジャパンを経営難からV字回復させたお話を基に、マーケティングの手法をわかりやすく説明してくれています。

マーケティングとは何か?を学ぶこともできますが、森岡さんのマーケティングに対する熱い想いも感じ取ることができます。

森岡さんの別の書籍は過去の記事でも紹介しているので、ぜひご覧ください。

とにかく熱い人です!

それでは今回も、ポイントをかいつまんで要約していきたいと思います。

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変えたのは「消費者視点」

USJをV字回復させるため、変えたことは一つ。「消費者視点」です。

これまでは作り手の作りたいコンテンツや、これならユーザーが喜んでくれるはずだ、という凝り固まった考え方でしたが、

森岡さんが来てからは徹底的に「ユーザーが喜ぶこと」にフォーカスを当てて社内のシステムを変えていきました。

そのおかげでUSJの社員一人一人がユーザーのほうを向いて仕事をできるようになりました。

仕事は独りよがりでは決して成り立ちません。

自分の周りには同じ会社の仲間がいて、その先には必ずお客さんがいる。

お客さんのニーズを満たしてこその仕事です。

初心を忘れず日々の仕事に取り組んでいきたいですね。

日本企業の多くはマーケティングができていない

森岡さん曰く、日本企業の多くはマーケティングが苦手だとのこと。

どちらかというと技術志向に偏っています。

高度経済成長期は良い物を作れば作るほど売れていました。(私はその世代ドンピシャではありませんが)

良い物が売れるという考えが固定化されていて、その考えがなかなか抜けきれずに現在に至る企業も多いでしょう。

しかし今は「売れたものが良い物」で、良い物を作ったからと言って売れるわけではありません。

日本の企業は技術力は高いからこそ、この新技術を使った製品を売る、とか、この新技術を使ってどんな製品が作れるか?という技術起点の製品開発になります。

しかしマーケティング起点だとユーザーの困りごとが起点になるので、売れる(成功する)確率がグッと上がります。

マーケティングはもともとアメリカ発祥の学問です。日本がマーケティングが遅れをとるのも仕方ないです。

そういわれてみると、私が通っているエニタイムフィットネスは今では当たり前になった24時間オープン型のジムのパイオニア的存在で、例えば10年前はほとんどメジャーではありませんでした。

時代を先取りして仕掛けていくあたりは、さすがマーケティング大国だなと思い知りました。

マーケティングの本質

マーケティングの本質は「売れる仕組みを作ること」です。

具体的には次の3つをコントロールすべきだと森岡さんは言います。

マーケティングの本質

1.消費者の頭の中を制する。

2.店頭(買う場所)を制する。

3.商品の使用体験を制する。

1つ1つは非常に濃い内容となっているので、詳しくは本を実際に読んでみて理解してください。ここでは一つだけ補足します。

消費者の頭の中にあるブランドに対する一定のイメージを、「ブランド・エクイティー」と呼びます。

このブランド・エクイティーを上手く設定できれば、競争を優位にもっていけます。

よく「ブランディング」とも言われますが、消費者にブランドを強烈に植え付けることで、自然と消費者に選ばれる立場に立つことができます。

昔はTVコマーシャルが王道でしたが、今は断然SNSですよね。

また人間関係にも言えることで、〇〇さんなら信頼できるとか、✖✖くんには依頼できない、などと言った評判もある意味ブランドとも言えます。

他者の評価は気にするなとは言いますが、仕事を円滑に進めるためにも、自分のブランド構築もある程度は大事だと感じました。

森岡さんの熱さの根源

とてもバイタリティー溢れる森岡さん。この熱さは一体どこからくるのだろうか?

その一片を垣間見ることができるエピソードが本書の終盤に書かれています。

森岡さんは神戸大学在学中に阪神淡路大震災に被災され、友人を亡くしました。

その時、死に対する恐怖心よりも、何も成し遂げずに死んでしまうことの恐怖のほうが大きかったそうです。

また、仕事で失敗してクビになったとしても命まで取られるわけではない。

だからこそやりたいことには積極的に挑戦しよう、と森岡さんは言います。

このあたりのお話が私は本書の中で最も好きです。ぜひ読んで熱い想いを感じ取って下さい!

きっと今すぐ動き出したい衝動に駆られると思います。

森岡毅さんのその後

森岡さんはUSJを退職後、マーケティングのプロ集団で構成された株式会社刀を立ち上げました。

USJの時と同様、数々の企業に元気を取り戻すお手伝いをしているそうです。

例えば、2021年に西武園ゆうえんちがリニューアルされましたが、これも森岡さん率いる刀が携わったそうです。

西武園ゆうえんちって最近変わって盛り上がっているな、ちょっと行ってみたいな、と個人的に注目度が上がっていましたが、これも森岡さんのメスが入っていたんですね。

西武園ゆうえんちの変わりっぷりに納得がいきました。

確かにマーケティングは日本に元気を取り戻す大きな力を秘めているなと感じました。

またマーケティングのノウハウを少しでも日々の生活や仕事に取り入れて、人生を豊かにしていきたいですね。

まとめ

今回紹介できませんでしたが、マーケティングの手法を具体的に説明してくれているので、体系的に学ぶこともできます。

なにもマーケターを目指さなくても、仕事に活用できる考え方でもあるので、ぜひ一度読んでみてほしいです。

今回読んで感じたのは、世の中に売られている財やサービスは我々消費者の購買意欲を掻き立てるように上手く設計されているため、

本当に自分が必要な物以外はうっかり買ってしまわぬよう、気を付けなくてはいけない、ということです。

中には自分の潜在的なニーズ(自分でも気が付いていなかった困りごと)を突いた革新的なサービスもあるかもしれませんが、それも含め、そのサービス・財を手に入れることで「自分が幸せになるか?」を常に確認する習慣をつけようと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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