大ベストセラーとなったこの本を私もついに読みました。
この本は、思い込みにとらわれずデータを基に世界を正しく見る習慣についてのお話です。
様々な書評系YouTubeチャンネルでも取り上げられている、大人気本です。
読み終わる頃には世界の見かたが変わること間違いなし。
自分の視野を広げるにはうってつけの一冊です。
分厚い本で内容も濃いので、全てを網羅するような要約はできませんが、ほんの少しでもこの本の良さが伝わればと思い、私の感想を交えながら紹介させていただきます。
著者:ロスリングさんら3名
この本の著者は、スウェーデン人のハンス・ロスリングさんという医師と、その息子夫婦のオーラ・ロスリングさん、アンナ・ロスリング・ロンランドさんの3名です。
本の「おわりに」部分で、父のハンス・ロスリングさんがすい臓がんを患ってしまい、余命宣告されたということを明かしています。
それまでは世界各国で講演会などを行っていたのですが、余命宣告後は全ての予定をキャンセルして、この本の執筆を始めたそうです。
つまりこの本は、ハンス・ロスリングさんが命がけで、そしてこれまでの人生で得た知識を全て詰め込んだ、非常に貴重なものだということです。
人の人生がこの一冊に凝縮されていると思うと、感情移入しながら本の世界にのめりこむことができると思うので、ぜひそのつもりで読み始めてみてください。
とその前に、本の執筆を始める数年前に行っていたTEDを見てみると、本の内容の理解が進むと思います。
チンパンジークイズから言えること
本の冒頭において、著者らが開発した「チンパンジークイズ」が出題されます。先ほど紹介したTED動画でも登場します。
クイズは世界の事実に関する13の質問で、回答はABCの3択になります。
地球温暖化や平均寿命に関することなどで、世界に対する自分が持つイメージを基に回答するしかありません。
この質問をチンパンジーにすると、当然チンパンジーは理解不能なので、確率論的に正答率は33%になります。
一方、人間はどうかというと、実はチンパンジー以下になることが多いそうです。
なぜランダムに選んだチンパンジーよりも正答率が下回ってしまうのか?
それは人々は世界の事実を誤って理解しているからです。
つまりそれだけ人は思い込みが激しく、事実を正しく認識できていない、ということを示唆しています。
そんな人のバイアスは10の本能に基づいており、本書ではそれぞれ具体的に解説してくれています。
ちなみに私は13問中4問正解でした。正答率30%ということで、チンパンジーと同等か、それ以下でした。。。
事実に基づいて(ファクトフルに)世界を見ることができない10の本能
人は思い込みというバイアスがあり、事実を基に世界を見ることができません。
この理由は誰もが持っている10の本能があるからです。
この本能を抑えることで、世界はそんなに悪いものではないと思え、人生が豊かになるでしょう。
全てを細かく紹介することはできませんが、備忘録がてら記載させていただきます。
気になった方はぜひ本書を手に取って読んでみてください。
「世界は分断されている」という思い込み。
実際には完全に二極化しているわけではなく、中間部分に大半が分布している。
「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み。
悪いニュースのほうが広がりやすい。「悪い」と「良くなっている」は両立する。
「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み。
なんでもかんでも直線近似のグラフにしない。実際には直線になる方が珍しい。
危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み。
リスクを正しく計算する。リスク=危険度×頻度。
「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み。
数字は比較すること。
「ひとつの例が全てに当てはまる」という思い込み。
同じ集団の中にある違いを探すこと。
「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み。
変わらないように見えるものでも、実はゆっくり少しずつ変化していることに気づくこと。
「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み。
自分と異なる考えを持つ人と会話することで、自分の考えを検証する。
「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み。
誰かのせいにするのではなく、システムを見直すこと。
「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み。
小さな一歩を重ねること。
FACTFULNESSを日々の生活でどう実践するか?
この本では世界の事実について語られていますが、日本から出たことのない私にとってはスケールが大きすぎてなかなかイメージが湧いてきません。
ただファクトフルは日常のレベルでも意識して取り入れることができると思っています。
たとえば自意識過剰だったり、誰かのせいにしたくなったり、固定観念にとらわれそうになったときなどなど。
そんな時こそ上で挙げた10の本能を思い出し、自分を客観的に見ることができれば、きっと物事が好転するだろうと読んでいて思いました。
違う言い方をすれば、自分を観察するとも言えそうです。
「観察力」と合わせてファクトフルな日々を送りたいと思いました。
まとめ
紹介した10の本能はどれも大事な視点だと思いました。
本能のままに意思決定するのは楽で簡単です。
ただ、そこで一度立ち止まって自分のアタマで考える習慣をつけるべきなのだと感じました。
本能をコントロールし、思考回路をめぐらせることで、世界や人生は捨てたものではないと前向きに捉えることができそうです。
「自分のアタマで考えよう」という書籍も、知識に騙されるなと主張しています。本質は同じなのかもしれません。
多くの本を読み、色々な人の価値観に触れながら、今後も自分の枠を広げていければいいなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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