企業に務めているサラリーマンの方々は、自社の「ブランド理念」の重要性について考えたことがあるでしょうか?
本書はそんな「ブランド理念」の重要性について語られた一冊になります。
ちなみに以前、【How Google Works】が前職で課題図書として設定されたのですが、
本書もセットで指定されており、今回本書も改めて読み返してみました。
今思うと、よくこんなに重厚感ある2冊を指定してきたなと思います。
読書の難易度は高いですが、ビジネスマンとしては読んでおきたい良書かもしれません。
今回はそんな一冊をなるべく要点を絞って紹介していきたいと思います。
著者:ジム・ステンゲル
P&Gに25年間務め、グローバル・マーケティング責任者を務めた、マーケティングの神様みたいな人です。
2008年にP&G退職後、コンサル会社のジム・ステンゲル・カンパニーを設立。
その傍ら、米カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)でマーケティングを教えつつ、執筆活動を行っています。
ちなみに本書はこのUCLAで教科書として扱われているそうなので、全然関係のない私でもその一片を垣間見れるという意味では、読書体験は非常に貴重だなと思います。
P&Gと言えば
ジム・ステンゲル氏は元P&Gということで、元P&Gと言えば、そう、
当ブログでは「森岡毅さん」や「西口一希さん」の書籍を紹介しました。
彼らも元P&Gという事もあり、彼らの書籍にはジム・ステンゲル氏の考えに通じる部分があります。
それは「顧客」がビジネスの根幹にあるという点です。
興味があればこちらの記事も合わせてご覧ください。
P&Gは社内で活躍した後、独立する人が多いのでしょうか。
早いうちから自己自律心が芽生え、自分の信念みたいなものを持ち、使命感に駆られるのかもしれません。
一度しかない人生、自分がやりたいことをやるって大事ですね。
本書が伝えるメッセージ
それは「偉大なブランドは、あらゆる活動で高次の理念と目的を実践している。」ことです。
このブランド理念が組織に統一感を持たせ、従業員にやる気を出させます。
顧客視点を強く意識し、ビジネスが好転していく。
逆にブランド理念を軽視すると、自社の技術起点の経営に陥ってしまいがちになります。
日本の企業ではブランド理念よりも経営理念の方が一般的でしょうか。
一人の平社員が自社の経営理念について考える瞬間って、実際ほとんど無いと思います。
私は本書を読むことで、改めて自社の経営理念を見返す機会に繋がりました。
人間にとって大切な5つの基本的価値
成長するビジネスの条件とは、人々の生活をよりよい物にする という大命題に基づいています。
また、さらに5つの要素に分解することができ、本書では「5つの基本的価値」と定義し、それぞれ代表的な企業の例を挙げて解説してくれます。
・喜びを感じさせる …ダウニーの例
・結びつくことを助ける …フェイスブックの例
・探求心を刺激する …Apple、Googleの例
・誇りをかき立てる …アメリカの大手総合ディスカウントストアチェーン、ターゲットの例
・社会に影響を及ぼす …アクセンチュア、IBM、ペトロブラスの例
5つの基本的価値は普遍的なものです。
時代の変化と共に価値を得るための手段は変わっても、本質的には変わらないはずです。
自分が今携わっているビジネス・仕事がこのどれに絡んでいるかを意識する、ということは、ビジネスの成功には必要な要素なのかもしれません。
ブランド理念の木
本書ではジム・ステンゲル氏が考案したブランディングの概念、
「ブランド理念の木」について解説されています。
ブランド理念がいかに重要かということが理解できると思います。
例えば技術の仕事をしていると、自社の技術開発、他社製品との比較で頭がいっぱいになりがちですが、
そもそも自社の理念って何だっけ?誰のための仕事なんだっけ?
ということを意識しなければ枝葉が育たず、痩せ細り、立派な木に育たないということでしょう。
まとめ
・ビジネスの基本は、人々の生活をよりよい物にすること。
・それは人間にとって大切な5つの基本的価値のどれかを満たしている。
・ブランド理念の重要性は「ブランド理念の木」が教えてくれる。
本書で語られる内容は、実務でブランディングに携わっている人もそうでない人も、ビジネスマンであれば知っておきたい概念だと思います。
自分の仕事のバリューについて考えさせられる一冊でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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