【確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力】要約と感想│ビジネス書│自己啓発本│書評│

📚読書

日本を代表するマーケター、P&G出身の森岡毅さんの書籍です。

彼は大の数学好きだそうで、数学的マーケティングを駆使して低迷していたUSJをV字回復させました。

今回紹介する本は、そんな森岡さんの強みである「数学」をいかにしてマーケティングに落とし込んだのか、という内容です。

著者は森岡さん以外にもう一人います。今西聖貴さんというこちらも元P&Gの方で、アナリストとして市場データを分析したり数式をマーケティングで活用する研究をされていたそうです。

かなり分厚い書籍で、かつ小難しい数式が登場します。数学アレルギーの方には厳しいかもしれませんが、一般的なビジネス書としても読める内容ではあるので、お勧めです。

なるべく要点を絞って紹介していきたいと思います。

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この本から感じたこと

これまでサラバドブログでは、森岡さんの他の著書を紹介してきました。

どれも森岡さんの熱いマーケティング論が展開されてきました。

どの本にもたびたび登場していた「数学」の神髄がこの本で理解できます。

森岡さんが確かに数学を駆使してマーケターとして戦ってきたのだと知ることができました。

単なるアイデアマンではなかったということです。

素晴らしいアイデアを生み出す粘り強さに加え、得意の数学を使ってそのアイデアを論理的に検証する。

なんてスマートなやり方なんだ…。頭が良すぎる!

マーケティングにおける数学とは

それは「確率論」です。

消費者がある商品を購入する確率は確率論で説明がつきます。

判りやすい例で説明すると、USJが2014年にハリーポッターの新エリアを作ると決めたとき、来場者数がどれぐらいになるかを数学を用いて需要予測します。

その予測精度が高ければ高いほど、投資対効果を見積もりやすく、意思決定がしやすくなります。

つまり、斬新なアイデアを思い付いたと思っていても、本当に儲かるのかは未知数です。

その未知数な部分を可能な限り明らかにするのが数学マーケティングであり、「確率論」です。

こうして考えると、数学って社会の役に立っているのだなという実感がわきますね。

高校・大学時代は数学って何に使われているのかよく理解しないまま勉強していましたが、こうゆう実例を紹介してもらうと、勉強のモチベーションが上がるのかもしれません。

確率論の基礎

この本はいつもの熱い森岡節がさく裂しつつ、ビジネス書らしからぬ数式が頻出するゴリゴリの参考書のような側面もあります。

そんな小難しい数式の基礎となるのが以下の2つです。

・二項分布

・ポアソン分布

この記事では深くは紹介しませんが、いずれも高校数学の知識があれば理解できる内容です。

また、この本では特に理解しやすいように、丁寧に解説しながら進めてくれます。

通常の数学の参考書ではありえないような言葉づかいで説明してくれるので、逆に新鮮で理解しやすかったりします。

他のビジネスシーンへの活用を考える

需要予測をする際は色々な仮定を作って確率論に当てはめてシミュレーションしているようです。

例えば先ほどのハリーポッターの需要予測の際、映画の集客数を利用して計算していました。

「映画の集客数とアトラクションの人気度が相関する」と仮説を立て、実証し、その結果を使って確率計算する。

つまり確率の数式はあるけれども、それを使いこなせるかは当然その分野の専門知識が必要だし、敏感な嗅覚も必要です。

確率論は人のマーケティング以外にも様々なビジネスシーンで活用できると思います。

例えば製品の寿命を予測したり、故障率を予測したり、etc…

私も本業で確率論を使う余地があるかどうか、探してみようと思います。

本書はマーケティングを実務としている人はもちろん読めば有益ですが、別の分野で働く人にもイノベーションのチャンスがありそうな一冊だと思いました。

数学の素晴らしさ

物事の多くは「現象」であり、本質が目に見えません。

数学はそんな「現象」という抽象を、「数式」という具体に変換してくれます。

抽象から具体へレベルを変えると、物事の本質が見えてくることがあります。

このように、数学は物事の本質を理解する助けになります。

例えば運動エネルギーの方程式 K=1/2mv^2 で考えると、「質量m」と「速度v」が本質であることが一目でわかりますよね。

そう考えると数学って重要な思考ツールであると理解できます。

具体と抽象について学びたければこの書籍がお勧めです。

人生は確率である

人生は選択の連続です。つまり常に確率に支配されています。

例えば交通事故も確率であり、多くの人はなるべく事故を起こさないように安全運転を心掛けて交通事故の確率を下げています。

つまり物事に成功したければ、成功確率を上げる努力をするしかありません。

「良いことが良いことを呼ぶ、成功が成功を呼ぶ」と著者の今西さんは言います。

長い人生、時にはつらいこともありますが、前向きに考え、小さな成功体験を積み重ねていつか大きな財産にしていきましょう!

まとめ

これで森岡さんの書籍は全て読破しました。

森岡さんの凄さを改めて実感したような気がします。

私はマーケターではないですが、考え方が公私で活用できる内容だと思いました。

このサラバドブログだって、もっと読者を喜ばせるためにはどのようなコンテンツにした方が良いのだろう?と考えるのもある意味マーケティングです。

そう考えると色々な本を読んで知識をつけたり価値観を広げることは非常に楽しいなと思いました。

これを機に「統計」のビジネス書を読んでみたくなりました!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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