【労働組合役員のコラム】春闘で勝ち取った賃上げは正義なのか?

☕労働組合役員のコラム

こんにちは、こーたろーです。

労働組合役員コラムの初回である今回は、賃上げについて論じてみたいと思います。

労働組合がある企業では毎年「春闘」が繰り広げられています。

従業員の賃金(給料のこと)を上げてもらうために、会社側と交渉をするお祭りみたいなイベントです。

近年では歴史的な物価上昇と世間の賃上げムードが相まって、記録的な賃上げ率になったのは記憶に新しいですね。

私もその恩恵を受けて、今年は過去一番の昇給額でした。

確かにお給料が増えるのは嬉しいですが、この賃上げについて視点を変えて考えてみます。

主導権は自分ではない

賃上げできるかどうかは、企業業績や企業体力次第です。

赤字を垂れ流している企業では従業員に還元できませんので、賃上げはできません。

自分がいくら「仕事をした!」と思ってもそれは主観にすぎず、結局決めるのは企業なわけです。

そういう意味では、企業に雇われている以上、いつまでたっても主導権は会社にあるということを認識するべきです

「自分はこんなに頑張っているのに」とか、「なぜ自分は評価されないのだ?」という不満をよく耳にします。

しかし雇われの身である以上はすべて自分の想い通りにいくとは思ってはいけません。

そういった不満を漏らす人は、たいてい自分のことしか考えていません。

本当に成果を出して賃上げされるべきなのは、会社に貢献した人です。

主導権は会社にあるのが判っていて、利他の精神をもって謙虚に働くことができれば、おのずと結果はついてくるはずなのです。

全ての日本国民は「GIVE&TAKE」を読むべきでしょう!

今すぐ自分でできる賃上げがある

賃上げは自分に主導権がありません。では主導権がある賃上げはないのか?いやあります。

それは「生活の無駄を省くこと」です。

例えば一日一本自動販売機で購入しているジュースを辞めれば、1カ月で数千円になります。

結果としてそれは賃上げと同じインパクトだということを理解しましょう。

人は欲のある生き物です。贅沢したいと思うことは誰にだってあるでしょう。

そもそも賃上げを欲する理由は何でしょうか?贅沢をしたいから?生活にゆとりを持たせたいから?

例えば「良い車に乗りたいから」とか、「旅行に行きたいから」という理由があるとすれば、

そのため欲を満たすためだけに働いてお金をもらうのでしょうか。

労働の価値・意義はそれでいいのでしょうか?私は疑問です。

賃上げして何をする?

私の勤め先で、一時金の使い道についてアンケートを取ったことがあります。

多かった使い道はなんだと思いますか?

「貯蓄」「赤字の補填」でした。

私はそれを見てがっかりしました。

まずタイプが大きく二つに分かれています。

貯蓄派は資金に余裕がある人々です。

そもそも資金に余裕があるのに、当然のごとく賃上げされるべきだと考えているのか?まさかその中の人がもっと賃上げを!と要求してはいないだろうか。

貯蓄を否定しているわけではありません。私だって貯蓄はします。

ただ、「足るを知る」という精神を大事にしてほしいということを私は言いたいのです。

日本人は世界的に見ても裕福な人種なんだそうです。

お金の欲は際限がありません。

お金を手にして一体自分が何をしたかったのでしょうか?将来への備え?安心?冷静に考えてみてほしいです。

老後の資金が心配なら、長く働けば良い。

働きたくないと思うような仕事しか選べないから、老後の蓄えを心配するのです。

さてもう一つの理由である「赤字の補填」も深刻です。

赤字の原因次第ですが、自分の贅沢によって生まれている赤字だとすると大変です。

人は一度上がってしまった生活水準を引き下げるのはかなり難しい。

贅沢をして得るものは何なのでしょうか?

一時の快楽?自己実現感?優越感?

働くモチベーションって人それぞれだと思いますが、果たして人生それで良いのでしょうか。

もしかすると私も傍から見れば贅沢をしている部類に入るのかもしれません。

私が無報酬で働きますと言っているわけでもありません。

ただ、お金のためだけに働く人生って何か味気ない気がしませんか?

もっと高尚な意義のもとに働きたい。

例えば「世の中を変えたい!」とか、志す人の集団であれば、私はさらに自信をもって会社に賃上げを要求することができるでしょう。

まとめ

物価上昇で生活費がひっ迫しているのは事実ですが、解決策を賃上げに固執するのはナンセンスだと私は思います。

それこそ自助努力できる部分もあるでしょう。

賃金が上がらないことを叫ぶ前に、自分の生活スタイルを見直してみる。

そんな謙虚な姿勢が現代人には求められているのではないでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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