〇〇思考といえば、「論理的思考」や「デザイン思考」といった言葉が最近では流行っています。
それらのメジャーな思考の陰で同じぐらい重要な思考法が実はありました。
それが本書のテーマである「コンセプチュアル思考」です。
個人的にはかなり有益な書籍でした。
今回はメモしておきたい項目がたくさんあったので、Part.1とPart.2に分けて紹介していきます。
基本情報
86年慶應義塾大学・経済学部卒業。
https://www.insightnow.jp/profile/murayama_noboru
プラス、日経BP社、ベネッセコーポレーション、NTTデータを経て、03年独立。現在に至る。94-95年:イリノイ工科大学大学院(米国シカゴ)Institute of Design研究員
07年:一橋大学大学院・商学研究科にて経営学修士(MBA)取得
著者の村山さんは、本書の中ではご自身についてこう語っています。
「コンセプチュアル思考」を研修化し生業にしている私の提供価値は、「具体と抽象の思考往復を促し、ものごとの本質が見えてくる概念化レンズ」を売っています。
コンセプチュアル思考 物事の本質を見極め、解釈し、獲得する
この自分の提供価値、つまり本質を捉える力こそが「コンセプチュアル思考」そのものです。
またこの思考には「具体」と「抽象」の話が大いに関係しています。
本書と合わせて読むと、かなり理解が進むはずです。
人間の3つの思考活動
さて冒頭、「〇〇思考」について軽く触れました。まずはその点を深掘りしましょう。
著者の村山さんは、人間の思考活動には大きく分けて3つ存在すると言っています。
それは、「知の思考・情の思考・意の思考」です。
知の思考 → 論理的(ロジカル)思考 → 頭で考える、分析・処理・判断する
情の思考 → デザイン思考 → 五感で考える → 気持ちをくんで考える、美しいを表現する
意の思考 → コンセプチュアル思考 → 肚(はら)で考える → 深く洞察する、意味を掘り起こす
「意の思考」の「意」は意味、意義、意志、意図の意です。
意は「念」に通じており、概念、観念、信念、理念につながります。
英語で言えば「コンセプト(concept)」です。すなわちコンセプチュアル思考は物事のコンセプト=本質を捉えようとする思考なのです。
「知・情・意」のはたらきを「真・美・善」で考える
知の思考であるロジカル思考は、データを分析する力に相当します。また利益を最大化するための論理的な分析能力です。主に科学者が求められる思考法です。これは「真の価値」を追及していると言えるでしょう。
情の思考であるデザイン思考は、美の価値に根ざす考え方です。Apple社製品のようなクールさはまさにデザイン思考の賜物ではないでしょうか。
そして意の思考のコンセプチュアル思考とは、善の価値です。それは自分が正しいと信じる理念・理想に向かっています。いわば哲学者としての側面を持つとも言えるでしょう。
πの字思考プロセス
本書で私が最も印象に残っているのが、「πの字思考プロセス」です。
これこそがコンセプチュアル思考の真髄とも言えるテクニックです。
正直、この思考方法だけ覚えれば十分とも言えます。
抽象化の部分が概念化であり、コンセプトや本質を見極める行為となります。
「πの字思考プロセス」は普段私達が無意識に行っているものでもあります。
なるべく無意識ではなく意識下でこのプロセスをぐるぐる回せるように訓練しましょう。
まとめ
今回Part.1としてコンセプチュアル思考の肝となる部分を紹介しました。
これまでなんとなくその存在について理解はしていたものの、それが「コンセプチュアル思考」だと認識していませんでした。
この本を読んでようやく霧が晴れたような気持ちになりました。
さて、Part.2でも引き続き私が印象に残ったポイントを紹介したいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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