【定年前と定年後の働き方~サードエイジを生きる思考】紹介と感想│ビジネス書│書評

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人生100年時代、老後2000万円問題、定年延長などなど、先行きの不透明感は最近ますます高まってきています。

将来の働き方はいったいどうなってしまうのか?不安になる人も多いのではないでしょうか。

定年前と定年後の働き方について考えさせられる、興味深い一冊を今回紹介します。

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基本情報

発売日:2023年5月17日

ページ数:248ページ

出版社:光文社

著者:石山恒貴

石山恒貴(いしやまのぶたか)

1964年新潟県生まれ。法政大学大学院政策創造研究科教授。博士(政策学)。NEC、GE、ライフサイエンス会社を経て現職。越境的学習、キャリア形成、人的資源管理等を研究。日本労務学会副会長、人材育成学会常任理事。主な著書に『越境学習入門』(共著、日本能率協会マネジメントセンター)、『日本企業のタレントマネジメント』(中央経済社)、『地域とゆるくつながろう』(編著、静岡新聞社)、『越境的学習のメカニズム』(福村出版)などがある。

引用Amazon

企業とエイジズムのジレンマ

高年齢者に対する否定的なステレオタイプや偏見、逆に若者に対する軽視のことをエイジズムと呼びます。

企業には往々にしてこのエイジズムがまだ存在しているのが事実です。

多くの企業で採用されている役職定年制度では、ある一定年齢に達すると賃金が上がらないという現実。これこそエイジズムでしょう。

また企業は65歳までは再雇用の義務があるため、福祉的雇用とも呼ばれています。

このような蔑視がシニア世代の働くモチベーションを低下させてしまう要因となってしまいます。

この福祉的雇用やエイジズムといった課題を克服しない限り、人手不足を解消するためのシニア人材の活用はなかなか難しいのが現実です。

企業がシニアに期待する能力とは何か

本書で語られている「企業がシニアに期待する能力」が2つあります。

1.現役世代の力になる能力 →技術継承

2.第一線で活躍する能力 →ジョブ・クラフティング

本書では特に「第一線で活躍する能力=ジョブ・クラフティング」がシニアの働き方思考の中で目指すべきものだと言っています。

ジョブ・クラフティングとは、自分の仕事をより意味のあるものにするために、仕事の捉え方を自主的に変えていくプロセスのことを言います。

自分がこれまでにやってきた仕事や強み、特徴を棚卸しして、本当にやりたいことを見つけて自分業を育てていくことこそが、シニアの働き方だと私は考えています。

つまりいつまでも企業に雇われることを期待せず、自律を目指すべきなのかもしれません。

PEDAL行動と越境

越境思考という考え方は、当ブログでも何度か紹介しました。詳しくは下記の書籍が参考になります。

要は環境を自ら変えていくことです。

シニア世代ではこの越境思考が特に重要だと本書では語られています。

そんな越境思考を高めるために参考になる考え方が「PEDAL行動」です。

P:Proactive まずやってみる

E:Explore 仕事を意味づける

D:Diversity 年下とうまくやる

A:Associate 居場所をつくる

L:Learn 学びを活かす

PEDALという名前には、自転車のペダルを漕ぐように自らの力で自走するという意味が込められています。つまり自走力です。

定年後もいきいきと活動したり働くためには、この自走力を鍛えておくことが重要です。

まとめ

今回紹介した内容は、シニア、つまり50~60代をターゲットにした内容に見えますが、私としては何もシニアに限った話ではないと思いました。

下記の書籍にもあった「自分業」を育てるのは別に何歳からでも良いはずです。

現状では60歳定年を採用している企業が多いので、自然と60歳を節目に考えがちですが、そもそもこの考え方自体が自分の人生の主導権を他人に握られている状態ではないでしょうか。

何歳からでも自分のキャリアはどうにでも再設計できるはずです。

そのためには本書に書かれた考えを参考にし、本当に自分がやりたいことをやるべきです。

また今いる環境に満足せず、様々な新しいことに挑戦する意欲を持ちたいですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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