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正直に言えば私は政治に関する知識が乏しい。いくら読書が習慣になったからと言っても、日本に住んでいて日本のルール・政治に無知でいるのは自慢できる話ではない。
そうなったら読書で政治を勉強しよう、ということで、本書を手に取ってみた。
大人になってから改めて政治について学んでみると、これまでとは違った発想があったりして、個人的には良い経験となった。私の気づきと共に簡単に紹介していこう。
概要
本書のタイトル通り、政治の基本がこれ一冊で理解できる内容になっている。
義務教育過程で必ず教わる政治の基本だが、大人になるにつれて多くの人は忘れてしまっているのが現実だ。
人間は自分が興味がない事柄に関しては記憶の整理の段階で抜け落ちていってしまう。
政治は小難しく、身近なものとは思えないためかどんどん忘れ去られてしまう。
政治とは無関心ではいられるが、無関係ではいられない。
この本を読めば政治への関心も湧いてくるかもしれない。
学び
立法(国会)、行政(内閣)、司法(裁判所)の3つについて学ぶことが、すなわち「日本国の政治」について学ぶことだと言えます。
①法律を作る=立法(国会)
②法律を世の中にあてはめていく=行政(内閣)
③問題を法律に則って解決する=司法(裁判所)
「三権分立」という言葉自体はおそらく誰しもが知っている単語だろう。学校で必ず学んでいるはずだ。しかしその内容についてはおそらく我々社会人の多くが忘れてしまっているのではないか。
本書ではそんな基礎知識について短時間で復習することができる。
我々は選挙権を持っている。何も考えずに投票するよりも、少しでも仕組みを理解した上で投票したほうが、1票の重みが変わってくるのではないだろうか。そんな高い志を持ちたいね。
「頭の良い人」よりも「国民に選ばれた人」の方がえらい、というのが民主主義の国です。
これこそFACTFULNESSな視点が求められる部分ではないだろうか。
省庁に勤める人々は「官僚」と言われる超エリートだ。確かに彼らの見えざる努力のおかげで国が成り立っている側面もあるのだが、実際に国の政治を引っ張っていくのは選挙で選ばれた国会議員であり大臣であるという事実は忘れてはいけない。
だからこそ選挙はうわべだけの情報に流されてはいけない。自分のアタマで考える努力は必要だ。
日本国政府は現在、1年間に110兆円を超えるお金を使っています。その3分の1、約33兆円が「社会保障関係費」です。
この情報は本書が出版された2018年当時のものだ。2024年度の政府予算は37兆円で過去最大となっている。つまり年々増えていることが理解できる。
この要因は様々だが、主に挙げられるのが少子高齢化だろう。
人口動態の数字からこの動きは変えられないのは分かり切っているため、社会保障費はこれからも右肩上がりの推移をしていくことが予想できるだろう。
賃金は上がらず社会保障は増えるばかり。それでも多くの人々は会社員という雇われの身の中で苦しみながらすり減らしていく。一度きりの人生はこれで良いのだろうかと考えさせられる。
まとめ
私は政治の基本的な知識がかなり抜け落ちていたことを、この本を読むことで再認識した。また同時に新たな気づきも得られ、政治への当事者意識が少し芽生えてきた。
確実に言えるのは、選挙で投票もしない人間が政治への不満を言ってはならないということだ。
選挙権を持つ者は政治に関与する権利が与えられている。不満があるなら票として意思表示をするべきだ。
そして政治への理解をもっと深めてから本当に自分がなすべきことを選択した方がいいだろう。
何事も無知ではいけない。日本国民である以上は日本のルールである政治についての理解が不可欠だ。
そのためにぜひ本書を活用してほしい。
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