今から約20年後の2040年、日本をはじめ世界はどうなっていると思いますか?
そんな疑問に対するヒントを提供してくれるのが本書、「2040年の未来予測」です。
この書籍は他のビジネス書とは少し毛色が異なります。
著者が伝えたいことがそれまでの経験ではなく、未来予測の結果を基にしています。
これを読めば広域な分野の知識を得ることができます。
今回も私が気になったポイントに絞って紹介していきたいと思います。
著者:成毛眞さん
著者の成毛眞さん日本マイクロソフトの元社長で、引退後は執筆活動に専念されているそうです。
本書の執筆当時は御年65歳という事で、数多くの人生経験を積まれてきました。
前提として、65歳というご年齢の方が書いた書籍だということはインプットしておいた方が良いです。
というのも、本書の内容は日本の未来をどちらかというと悲観的に予測されています。
人間は歳を取れば取るほど悲観的になりやすいそうです。
この本を読みつつ、自分で調べて自分なりの考えを持つことをお勧めします。
結論
本書のメッセージは二つあると思います。
① 幅広い分野の2040年の予測結果。
② 今ある情報を基に未来を予測する力を身に付け、不測の事態に備えよう。
何も考えずに読み始めると、①の観点しかありませんが、それはそれで面白いです。
ただ、最後の最後に②の要素について筆者の想いが語られており、
もう一度最初から読み直して自分なりに考察をしたい衝動に駆られると思います。
テクノロジーの進歩
序盤は主にテクノロジーの話がメインになります。
スマートフォンの登場とインターネットの常時接続によって世の中はガラリと変わりました。
これらの出来事はここ15年ぐらいの話なので、20年先にもう一度技術的なイノベーションが起こる可能性もあります。
新技術の要素技術開発はこの10年で大きく進歩しており、2040年には更なる進歩が期待できます。
もちろん、新技術の導入にはコストや法規制等、様々な課題はありますが、
テクノロジーには現在の常識を覆す力を秘めています。
テクノロジーの発展に欠かせないのが「半導体」。
これまでの半導体の変遷を見れば、将来の技術革新にも明るい兆しが見えるかもしれません。
半導体に興味があればこちらの書籍がお勧めです。
様々な分野の未来予測
本書で扱う分野はとにかく多岐にわたります。
IT、車、電力、資源、環境等、衣食住、メディア、金融、教育、等々。
一般的なサラリーマンであれば恐らくどれかしらの分野に関係しているはずなので、
自分が置かれている状況と今後について考える良い機会になるのではと思います。
仮に今は専門外の分野でも、本書をきっかけに興味を持ち、その分野の本を読み始めるという、「読書の連鎖」が起こるでしょう。
色々なデータを基に予測が展開されるあたりは、【FACTFULNESS】に似ています。
最も確実な予測は「人口」
最も確度の高い予測は「人口予測」です。
日本が少子高齢化の一途をたどっているというのは、現在の人口データを見れば一目瞭然です。
日本の人口推移を基に日本の未来予測をしているのですが、どれも悲観的で少々暗い気分にはなります。
しかし、そんなネガティブマインドは捉え方によっては「慎重」「計画的」という強みになります。
そのような考え方は下記の書籍を参考にしてください。
切り札はテクノロジーの進歩と個人の考える力
日本の未来は決して明るくはないですが、カギになるのがテクノロジーです。
テクノロジーが社会的課題を解決してくれると期待しましょう。
ただその一方で、未来のトレンドを予測して、行動する力が我々一人一人に求められていると思います。
例えば昭和の時代は貯金をしておけばお金が増えていきましたが、今は増えません。
終身雇用や年功序列も崩壊しつつあります。
時代が変わると共に常識も変わっていくので、
大事なのは変化に適応し、自分で考える力を身に付けることだと思います。
【自分のアタマで考えよう】 はお勧めです。
まとめ
・テクノロジーは確実に進歩している。
・進歩したテクノロジーが社会的課題を解決可能だと期待できる。
・日本を含めた世界の情勢はめまぐるしく変化している。
生き残るためには変化に適応する能力が非常に重要。
というわけで、一見好奇心を満たしてくれる楽しい読み物かと思ったら、
かなりメッセージ性の強い一冊であったことに気が付きました。
情報を仕入れ、自分の知識にし、頭で考え、行動する。
自分や家族のためにも、今後もこのサイクルを回していこうと決意しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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