皆さんは「内省」という言葉を聞いたことはありますか?
「反省」とは似て非なるものです。
本書はそんな「内省」をテーマに、働く大人の学びについて論じた内容になります。
タイトルは「マネジャー」とありますが、マネジャーつまり管理職だけに限らず、一般社員にとっても有益な内容です。
私が本書の内容から得た気づきをこの場で皆さんに共有していきたいと思います。
本書の構成

世代と専門分野が異なる二人の共同著書になっています。
1975年生まれで教育学を専門とする中原淳さん
1954年生まれで経営学を専門とする金井壽宏さん
このお二人が代わる代わる主張を繰り広げていきます。
ビジネスのHow Toを一方的に読者に押し付けるわけではなく、読者に問いを立てさせ、考えさせるような構成になっているので、読みながら思考回路を回す必要があります。
ページ数もやや多いため、なおさら読書力は要求されますが、書かれている内容が非常に興味深いため、楽しみながら読み進められると思います。
内省とは

本書のタイトルとなっている「内省(リフレクション)」とは何か?
反省が過去の出来事を振り返るネガティブなイメージがある一方で、
内省は将来をより充実するために行う振り返り行為で、ポジティブなイメージで私は捉えています。
とはいえ内省するだけで終わりではダメで、行動(アクション)が伴うべきと著者は主張しています。
長い社会人生活を過ごしていく中で、節目で適切に内省し、自分が取るべきアクションを意思決定していく。そんなサイクルが働く人々には求められているのでしょう。
内省を繰り返していけば、じぶんの才能が見つかるかもしれません。
なぜ働く大人の学びが必要なのか

マネジャー(管理職)の人々は、部下のやる気を引き出す方法や育成方法について体系的にかつ実践的に学ぶ機会はあまりありません。
従って企業で成長するには、上司に頼っていてはいけないと私は思います。
自分の仕事や自分の成長に関してしっかりオーナーシップを持つことが重要です。
そのためには上司も部下も互いに学び続ける必要があります。
上司は人を育てたり、人が育つ環境を作る。
部下は早く一人前になるために専門性を磨いたり、スキルを身に付ける。
それぞれに学びが必要です。人は成長するために学び続けなければならない。
成長には内省が必須なのです。
二重ループ学習
社会人になると様々なことを学びます。
学んだ結果、点数という形でフィードバックされます。
それは一重ループ学習と言います。
一方で、学ぶ方法を問う内省に繋がるのが二重ループ学習と言います。
例えば仕事の効率化においても二重ループ学習は大切な考え方です。
仕事をしているとついつい近視眼的に陥ってしまい、そもそも自分のやり方は正しいのか?という考えができなくなってしまいます。
そんな時はこの図を思い浮かべて、二重ループの回転を意識しましょう。

「かかわり」から学ぶ
仕事は決して一人でできるものではありません。
仕事は様々な人々との「かかわり」を通じて成し遂げていくものです。
仕事が人を成長させるならば、
他者との「かかわり」は人を成長させることになるでしょう。
この思考方法は【賢い人の秘密】を読んで意識してみました。
本書では、社内のかかわりだけでなく、社外とのかかわりの重要性も説いています。
社内のOJTやOFF-JTだけこなしていれば、その企業の中で生き抜くスキルは身に付きますが、
一歩社外に出れば全く通用しないただの人になってしまうリスクがあります。
ビジネスマンとしての幅を広げるためにも、社外のかかわり、つまり社外での学びの機会を増やすべきだと読んで痛感しました。
私は社外で学んでいるわけではありませんが、読書はそれに代替可能なソリューションだと考えています。
著者:中原淳さんの伝えたいメッセージ
① 大人が仕事をしながら内省することは重要である
② その内省が自己に完結せず、他者に開かれたものでなければならない
③ 内省を通じて人は学び、そして変化することができる
①はもはや説明不要でしょう。
②は、対話を通じて内省することの重要性を説いています。
マネジャー自身が内省し、さらに部下に内省を促すような働きかけをする。
このような双方向のコミュニケーションを活性化せよと言いたいのだと思います。
③も言うことは無いでしょう。激動の時代を生き抜くため、また限りある人生の貴重な時間を充実させるためにも、内省がいかに重要かということを本書を通じて学びました。
まとめ
・定期的な内省&アクションで自分をメンテナンスしよう
・学習は一重ではなく二重ループで
・社内外のかかわりから学ぶ
・対話からの内省で成長スピードup
人は人生で多くのことを学びます。
何をどうやって学ぶ必要があるのか?そのためのヒントが本書から得られると思います。
例えば読書をしようと思うけど何を読んだら良いか判らない!という時にまずは【読書脳】を勧めるように、
何を学ぼうか、と思ったら本書を読んで欲しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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