本書のタイトル「CROSS-BORDER(クロスボーダー)」、それは「越境」です。
人の成長のために様々な環境変化を経験しよう、というメッセージを投げかけています。
環境変化に対して前向きに捉えることができ、勇気づけてくれる一冊になっています。
本書の良さが少しでも伝わるように、ポイントを絞って紹介したいと思います。
「越境」とは
A地点から境界を超えて、B地点へ立脚点が変化すること。
環境を自ら変えようと行動することで、人は学び、成長するのです。
子供の頃は保育園→小学校→中学校→高校→大学と、短期間のうちに強制的に越境します。
しかし大人になり就職すると、越境の機会は人それぞれで、中には全く越境せずに定年を迎えてしまう人もいるのではないでしょうか。
つまり、歳を取れば取るほど越境から学ぶ機会が減ってしまい、現状維持を好む自己保存の法則に陥ってしまいます。
本書ではそんな状態を「タコ壺」と表現しています。これは耳の痛い表現です。
正直私も数年前まではこの「タコ壺」に入りつつも、このままではマズいかなと思いながら葛藤しておりました。
この表現しづらい「もやもや」を晴らすためにも、「越境」しよう、というのが本書の狙いです。
ちなみに以前読んだ「GO OUT」も同じ思想です。
「GO OUT」では「外へ出ていくこと」を推奨していますが、まさにタコ壺の外へ出ていくことと同義です。
10種類の越境
先ほど述べた「もやもや」を晴らすための越境には、大きく分けて2つのカテゴリがあり、そこから細かく分けて計10種類あります。
ここでは名称のみ紹介したいと思います。恐らく名称だけ見れば、どんな越境行動なのかは察しが付くのではと思います。
本書ではそれぞれ詳しく紹介してくれており、自分のキャリアを設計していく上で大変参考になります。興味があればぜひ読んでみて下さい。
越境の強みとは
例えばある分野で100人に1人の能力を身に付けます。その後越境して他の分野でまた100人に1人の能力を身に付ける。
すると100×100で1万人に1人の存在になれる、というのが越境のメリットです。
一つの分野で1万人に1人の存在になるよりも、多分野にまたがった希少性の高い人材になったほうが、変化の激しいこの世の中を生きていく上では有利なのかもしれないと私は感じました。
先ほど紹介した「GO OUT」もそうですが、「両利きの経営」における「探索」も「越境」に似た考えだと思います。
新しいことに挑戦することは今の時代のトレンドなのかもしれません。
戦略的に越境する
とは言え、なんでもかんでも越境すれば良いというものでもないはずです。
越境する前と後の自分の能力のシナジー効果を考慮し、越境先を慎重に選択するべきだと私は思います。
そうは言っても自分の意思とは無関係に越境させられてしまうケースもあると思いますが、長期的な視点で自分のキャリアを考えるべきです。
以前紹介した「ロングゲーム」がまさにその通りで、長いゲームの中で戦略的に越境する。
なんとなく、有名RPGの「ドラクエ」における「転職」に近い思想でしょうかね。
魔法が使える戦士、回復呪文が使える武闘家のように、人生という名のゲームをクリアするため、自分に必要な越境を選択したいですね。
まとめ
・「もやもや」を感じているなら、越境してタコ壺から脱出しよう
・越境は10種類に分類される
・他分野にまたがる越境をすることで、希少性の高い人材になろう
・人生というロングゲームを攻略するため、戦略的に越境しよう
「越境」することで、新しい仲間や新しい価値に出会うことができます。それはつまり成長のチャンスと捉えることができます。
環境を変えるという事は人間の本能に逆らうことなので、なかなか行動しづらいかと思いますが、勇気を持つことが越境の第一歩かなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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