今回の書籍は私が勤める企業の会長が推奨していたらしいので、どんなものかと思って読んでみました。
ただ、手に取ってみるとこの本の重厚感というか、圧迫感がすごいのなんのって…
気軽に読めるボリュームではないので、読もうと思っている方はぜひ覚悟してほしいと思います!
というわけで、到底全ては紹介できませんが、所々かいつまんで内容を共有していきたいと思います。
両利きの経営とは何か
それは「探索」と「深化」です。
探索は、新規事業等の新しい領域を開拓していくこと。
深化は、既存事業の収益を確保し、さらに盤石なものにしていくこと。
探索は不確実性が高くコストがかかるため、なかなか手をつけることができません。
そんな理由から多くの企業は深化に偏ってしまい、時代の変化に順応できず、やがて衰退していってしまいます。
本書ではそんな両利きの経営に成功した企業、失敗した企業の詳しい説明や、両利きの経営を進めていくための方法を解説してくれます。
そういえばGoogleでは「70対20対10のルール」があると下記の書籍で書かれていました。
それはつまり、70%をコアビジネスに、20%を成長プロダクトに、10%を新規プロジェクトに充てるというものです。
これがまさに両利きの経営です。さすが時代の最先端をいくGoogleです。
変化に対応するために
両利きの経営が必要とされる理由は、時代が急速に変化していくからです。
時代が変わると、今まで必要とされてきた物やサービスが突如として必要とされなくなります。
そんな変化に対応するためには、強いリーダシップが必要です。
変化に直面した時、リーダーがどのように行動するかが肝になります。
私的には、情報感度と洞察力が大事なのかなと思います。
社外では今何が起こっているのか?そしてこれから何が起こり得るのか?
言い換えれば、世の中の動きを察知して、先回りする思考力が求められているのでしょう。
そのような意味では、下記の書籍も参考になると思います。
Amazonの例
本書では「Amazonが成功している5つの鍵」として両利きの経営を解説しています。
以前読んだ【チャートで考えればうまくいく】を活用し、チャートで表現してみました。
特に、Amazonの意思決定には顧客中心に考えることへのこだわりがあります。
顧客志向を打ち出す企業は多いものの、そのほとんどが実際はそうなっていない。
新しい分野に事業を広げようと考える際に、「なぜこれをやるべきなのか?自分たちにはその分野のスキルがない。」という思考に陥ってしまいます。
それよりも、「自社の顧客には何が必要か」という問いから始めて、自社のスキルのギャップを調べていくほうが、世の中の変化に対応できます。
【顧客起点の経営】も参考になりそうです。
イノベーションストリーム
探索を行う、つまりイノベーションを起こしたいと考えた時、その方向性から考える手法を「イノベーションストリーム」と言います。
探索部門を設置する方法や時期を決めるときの参考になる手法として紹介されています。
本書では様々な企業のプロダクトをこのイノベーションストリームに当てはめて紹介し、各領域における課題や対策を解説してくれています。
色々な分野の話が聞けるという点では非常に興味深い内容になっていると思います。
将来的には企業に依存せず、個人で稼ぐ時代が来るかもしれないので、そのような時に備えて個人レベルでも分析して、自分のキャリアをデザインするために活用するのも良いなと思いました。
イノベーションの三つの規律
両利きの経営のリーダーは適切にイノベーションを起こし組織を率いていくために、三つの異なるプロセスを設計する必要があります。
そのためには「三つのイノベーションの規律」について熟達しなくてはいけません。
アイディエーションとインキュベーションまでは上手くいくが、スケーリングで失敗する企業が多いと本書では語られています。
アイディアをある程度実証できれば、あとは失敗を恐れず実行するのみですよね。重要なのはそのサイクルをいかに早く回すか、ということのように思いますが、きっと企業の経営はそこまで甘くないのでしょう。
というかそもそもアイディアを着想すること自体難しそうな気がします。
そのスタート地点に立つためには、以下の書籍の考え方が非常に参考になると思います。
まとめ
・混迷を極めるVUCAの現代を生き抜く術は、両利きの経営である
・イノベーションストリームで事業を分析し、戦略を検討する
・イノベーションの三つの規律を意識する
今回はゴリゴリの企業経営に関する書籍を紹介しました。
一度の記事では到底紹介しきれないほどのボリュームですので、少しでも興味が湧いた方だったり、経営について学びたい方は、ぜひご自分で読んでみることをお勧めします。
単純に様々な分野の企業について学びたい、という視点でも読む価値のある書籍だと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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