メディアでコメンテーターとしてたびたび見かける落合陽一さん。
今回紹介するのはその落合さんが書いた書籍で、経済的に長く低迷する日本が再興するための方向性について、独自の目線で切り込んでいます。
我々読者も日本の将来のために何ができるかを考えるきっかけを与えてくれる内容です。
シンプルに、かつ印象に残った点を中心に本書を紹介していきたいと思います。
著者:落合陽一さん
以下、Amazonより引用
メディアアーティスト。1987年生まれ、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了(学際情報学府初の早期修了)、博士(学際情報学)。2010年ごろよりメディアアーティストとして活動。
現在、筑波大学デジタルネイチャー開発研究センターセンター長、准教授・JSTCRESTxDiversityプロジェクト研究代表、京都市立芸術大学客員教授,大阪芸術大学客員教授,デジタルハリウッド大学特任教授,金沢美術工芸大学客員教授.2020年度,2021年度文化庁文化交流使,2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)テーマ事業プロデューサーなどを務める。
2017年 – 2019年まで筑波大学学長補佐,2018年より内閣府知的財産戦略ビジョン専門調査会委員,内閣府「ムーンショット型研究開発制度」ビジョナリー会議委員,デジタル改革法案WG構成員などを歴任.
引用:Amazon
落合陽一さんって何を専門にしている人なのか?と聞かれても、一言では表現しづらいです。とにかく多種多様なキャリアをお持ちの方で、各方面で活躍されている科学者って感じです。
このようなビジネス書を執筆する人は、とにかく色々な活動をされている人が多いですね。以前当ブログで紹介した「GO OUT」している人ばかりです。
日本は捨てたものではない
本書を読んだ私の直観は、「日本は捨てたものではないな」という事です。
例えば本書の冒頭では、日本には何が向いているかについて、歴史を振り返りながら考えていかなくてはいけない、と落合さんは主張しています。
近年ではなんでもかんでも欧米の真似をしたがりますが、欧米のスタイルが日本人に合うかどうかは分からない。
そもそも欧米って何でしょう?欧州と米国は別物で、よく理解せず一緒くたにしている時点で、何か海外への憧れみたいなものを勝手に抱いていたのかもしれません。
欧州、米国あるいは他の諸外国の見習うべきところ、見習うべきではないところをしっかり見極め、日本人としての良さを伸ばしていく。それで良いのかもしれません。
百姓という生き方
日本には古来、「百姓」という人たちがいました。一般的には 百姓=農民 というイメージが強いかもしれませんが、実は百姓とは多様な生業を持った人たちだったんですね。
まさに現代における兼業・副業の先駆けであり、これからの時代は百姓的な生き方が重要になると落合さんは言います。
色々な仕事をポートフォリオマネジメントしていけば、コモディティ化のリスクを低減させることができます。
この考え方はこれまで読んできたビジネス書でも多くありました。
先ほど紹介した「GO OUT」もそうですし、「CROSS BORDER」や「40歳の壁」でも同じ方向性を示しています。
結局コモディティ化すると食っていけなくなります。物価は簡単に上がっていきますが、給料は簡単には上がりません。
政府がNISA制度を拡充するのは、自分の身は自分で守りなさいというメッセージです。
これからの時代は兼業・副業が当たり前の時代になっていくと私は思います。
「ワークライフバランス」から「ワークアズライフ」へ
「ワークライフバランス」という言葉は良く耳にすると思います。
しかしこれからは「ワークアズライフ」、つまり仕事と生活が一体となった状態にならざるえを得ないでしょう。
日本は歴史的にも労働時間は長く、日本人は勤勉な人種です。
かといってどんな仕事でも延々とこなせるというわけではないですが、仕事が生活の中心になることは別におかしなことではないんですね。
以前森岡毅さんの書籍でも触れましたが、人が仕事で鬱になるのは嫌な仕事を延々とさせられるからです。好きなことなら時間を気にせず続けることができます。
つまり好きな仕事を見つけることができれば、ワークアズライフになるわけで、ここが日本再興のキーポイントの一つなのです。
私のような一般人レベルからこの意識を持ち、色んな事に挑戦して自分の好きな仕事に出会えることが、日本の底力を上げる原動力となるのかもしれません。
日本は超拝金主義
「拝金主義」というのは、金銭こそが最高の価値であるという考え方のことです。
日本人はこの拝金主義に洗脳されています。落合さんはテレビドラマの事をディスっていましたが、ネットやSNSも同じだと思います。特にYouTubeは拝金主義者だらけのレッドオーシャンに見えます。
日本再興のためにはこの拝金主義から抜け出し、「価値を中心としたパラダイム」に戻る必要があります。働いてお金をもらうという行為は、何か価値を提供してその対価としてお金をいただくということです。
あくまで価値ありきという事を忘れないように気を付けたいですね。
価値を提供するためにはマーケティングの知識が重要になります。マーケティングと言えば森岡毅さんの書籍がお勧めです。
まとめ
・日本最高のためには、日本の良さを再発見・再認識し、強みを活かしていく
・これからの時代は百姓的な生き方が必要となる
・ワークライフバランスからワークアズライフへ
・拝金主義から脱せよ
今回紹介したのは本の一部にすぎません。もっと興味深い落合さんらしい主張が詰まっているので、興味があればぜひ読んでみて下さい。
落合さんの主張をそのまま受け入れるよりも、自分だったらどう考えるか?と問いを立てながら読むと、落合さんとディスカッションしているかのようで面白いですよ!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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