ウェルビーイングという言葉を聞いたことがありますか?
近年注目されている単語です。
そんなウェルビーイングに関するビジネスについて解説してくれているのが本書です。
ウェルビーイングが気になっている人は必見の一冊になっています。
では簡単に紹介していきましょう。
基本情報
以下、著者の藤田康人さんについて。
1992年、ザイロフィンファーイースト社(現ダニスコジャパン)を、フィンランド人の社長と2人で設立。1997年にキシリトールを日本に初めて導入し、素材メーカーの立場からキシリトール・ブームを仕掛けた。この結果、ガムを中心とするキシリトール製品市場はゼロから2000億円規模へと成長。
2007年5月、IMC(Integrated Marketing Communication:統合型マーケティング)プランニングを実践するマーケティングエージェンシー 株式会社インテグレートを設立、代表取締役CEOに就任。
株式会社インテグレートHPより引用
ウェルビーイングとは
それは、「体も心も元気で、社会との関係も良好である状態」のことを言います。
近年の労働界では、働く人々のウェルビーイングを重要視する動きが活発になってきており、それこそ「ワークライフバランス」も密接に関係しています。
昭和や平成初期の時代は「24時間働けますか?」というCMが流れていたことを考えると、時代って変化するものなんだと感じます。
時代の変化に合わせて働き方も柔軟に変えていく必要があるということですね。
ウェルビーイングとは新しい価値観である
アメリカの調査会社が行った世論調査によると、経済力と幸福度は比例しないという結果がわかったそうです。
これは下記の書籍で登場した3つの幸福の考えに合致しています。
実際に本書では樺沢紫苑さんの別の書籍を引用しています。
つまりドーパミン的幸福が高くても、オキシトシン的幸福とセロトニン的幸福が乏しければ幸福とは言えないという事を如実に表しています。
これこそが新しい価値観、ウェルビーイングだと言えるのかもしれません。
自分らしく生きる時代
以前読んだどの書籍だったか忘れてしまいましたが、現代は「ヒューマンセンタード」な社会です。
確か下記の書籍だったでしょうか。
高度経済成長期は良い物を作れば売れた時代「プロダクトアウト」でした。その後、売れた物が良い物である「マーケットイン」の考えが長くメインストリームになっていますよね。
これからの世の中はさらにその先の概念、「ヒューマンセンタード」へと進化していきます。つまり「人間中心」、個人の生き方にフォーカスした考え方です。
これはまさしく個のウェルビーイング的な考え方そのものです。
ヒューマンセンタードとは自分らしく生きる時代への転換を意味しています。
企業はこの「個のウェルビーイング」に注目したビジネスの展開が求められているんですね。
本書ではそんなウェルビーイング的なビジネスの進め方について、マーケター目線で解説をしてくれています。
関係性のリデザイン
個のウェルビーイングに着目すると、既存のビジネスをウェルビーイングビジネスに変えることができます。
それが「関係性のリデザイン」です。
つまり、既存の製品やサービスの視点を変えてやることで新しい価値を見出すことができます。
本書では虫歯予防のキシリトールガムの例を紹介しています。
ここでは割愛しますが、端的に言えばマーケティング思考そのものです。
マーケティング思考を駆使していかに人々のウェルビーイングを満たす製品やサービスのあり方を見出すかということです。
マーケティング系の書籍は当ブログでも何度も紹介しています。
ぜひぜひ参考にしてみてください。
企業のパーパスとは
近年、「パーパス」という言葉も注目されています。読者の皆さまはご存じでしょうか?
似た言葉にビジョン、ミッション、バリューがあります。それらとの違いとは一体何でしょうか。
ビジョン、ミッション、バリューは「我々はこうなりたい」「我々はこうありたい」と、自分中心で考え、そのあとに顧客がきます。
しかしパーパスは「私たちの会社はなぜ社会に存在するのか」といった企業の存在意義を問う概念になります。
自分の一方的な想いよりも、他者貢献の色が強い。そして社会との関係性の上で成り立つ考え方だと思います。
ウェルビーイングの視点で企業を見つめ直す事イコール、パーパスを設定することであると言えそうです。
まとめ
ウェルビーイングとは、単なる「幸福」という一言では片づけることができない概念です。
また個人レベルでは毎日の仕事の中にウェルビーイング的な要素を見出す事。
そして企業レベルでは関係性のリデザインによって長く顧客に必要とされる努力をする事。
そんな学びを本書から得ることができました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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