価値観の多様性により、現代のビジネス界は混迷を極めていると言えます。
新入社員が入社した初日に退職代行を利用して辞める、というニュースを見ると、そう思わざるを得ません。
今まさに一人一人の価値観に寄り添ったコーチングスキルが中堅以上の社員には求められているのかもしれません。
というわけで、私もコーチングを学ぶために本書を手に取ってみました。
とても読みやすい書籍なので、コーチング勉強の入門としてはうってつけです。
それでは簡単に紹介していきます。
基本情報
発売日:2005年4月20日
ページ数:149ページ
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
著者:伊藤守さん
株式会社コーチ・トゥエンティワン、株式会社コーチ・エィ、株式会社ディスカヴァー・トェエンティワン代表取締役会長。国際コーチ連盟マスター認定コー チ。1997年、株式会社コーチ・トゥエンティワンを設立。米国コーチ・ユニヴァーシティと提携し、コーチ・トレーニング・プログラムを開始する。企業向 けコーチングにおいても多数の実績を持ち、2001年、株式会社コーチ・エィを設立。
引用Amazon
伊藤守さんは日本のコーチング界のパイオニア的存在です。
コーチングを学びたければ伊藤さんの書籍を読めばまず間違い無いでしょう。
ちなみに以前当ブログで紹介した、下記の書籍の監修もされているそうです。
コーチングとは何か
コーチは教えるのではなく、クライアントに目標を達成するために必要な知識や技術、ツールを備えさせる。このプロセスをコーチングと言います。
以前当ブログで紹介した記事において、ティーチングとの違いを書きました。
まずはこの基本的な原理原則を意識しておけば、大きく道を踏み外すことは無いでしょう。
コーチは要求する、聞く
これだけだと勘違いされるリスクはあるかもしれませんが、コミュニケーションとは相手に要求していくことです。
つまりコーチはクライアントに対して要求します。
やると決めたことはやってください
時間を守って下さい
といった感じです。
この背景には、人は基本的に他人からの要求に応えて行動を起こすものだ、という考えがあります。
クライアントが自分を変えたいと本気で思うからこそ、コーチも必要な事は包み隠さず要求した方が良いのでしょう。
それだけコーチングは真剣勝負ということです。
ただ一方で、コーチングは相手の要求を聞くということにも繋がります。
コーチが要求すれば、クライアントも要求します。
その際、コーチはしっかり傾聴してあげましょう。
例えば不平不満を言う人は、ややもするとその言葉の裏には「要求」が隠されているかもしれません。
そもそも「聞く」という姿勢を相手に見せることは、「大切な人だ」という意思表示にも繋がります。
コーチは聞くスキルを積極的に磨いていきましょう。
チャンクアップとチャンクダウンを駆使する
チャンク(chunk)とは塊という意味です。
チャンクダウンは塊をほぐす。チャンクアップというのは塊を作る、ということ。
つまりこれは抽象レベルと具体レベルを行き来することに他なりません。
コーチングではこのチャンクアップ&チャンクダウンというテクニックが重要です。
抽象レベルが高いアイデアでは人は動けません。
そんな時はチャンクダウンして具体的な行動に落とし込みましょう。
一方、チャンクアップが必要なシーンもあります。
あえて抽象レベルが高い質問をすることで、クライアント自身が気づいていなかった事に気づく場合があります。
ここでも具体&抽象の話が登場しました。
多くの書籍で登場するこの概念は、絶対に身に付けるべきものです。
色々な場面で応用がきくこと間違いなしです。
まとめ
・コーチングとは、クライアントに目標を達成するために必要な知識や技術、ツールを備えさせることである。
・コーチは時に要求し、時に聞くことを心掛ける。
・チャンクアップとチャンクダウンで具体⇄抽象を使い分ける。
そもそもコーチングを必要とする人はどんな人か?をまずは明確にした方が良いと個人的には感じました。
ややもすると余計なお世話になってしまいます。
管理職やリーダーという役職を与えられ、コーチングをする立場になったとしても、コーチングを駆使する場面かどうかは、慎重に判断しませんか。
そのあたりの話が本書には詳しく書かれているので、興味があれば読んでみて下さい。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント