人材開発、組織開発の書籍を探していたとき、この本に出会いました。
WHYから始めることの重要性はいくつもの書籍で提唱されています。
本書も同様で、個人のWHYを見つけるためのノウハウを教えてくれます。
簡単に紹介していきたいと思います。
基本情報
発売日:2019年1月25日
ページ数:255ページ
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
著者:サイモン・シネック、デイビット・ミード、ピーター・ドッカー
訳者:島藤真澄さん
サイモン・シネック Simon Sinek
リーダーや企業、非営利団体に対して「人びとをインスパイアする方法」を伝授してきたコンサルタント。これまでアメリカ連邦議会議員、外交官、国連、国防省、マイクロソフト、アメリカン・エクスプレスなどでWHYを伝授してきた。2009年に公開されたTEDトークでの動画は、世界で4000万回以上再生され、大きな話題を呼んだ。著書に『WHYから始めよ!』『リーダーは最後に食べなさい!』(日本経済新聞出版社)がある。
引用 Amazon
サイモン・シネック氏はTEDトークで超有名だそうです。
本書を読む前に、まずは軽くTEDトークを見たほうが、本書の内容がスムーズに頭に入ってくると思います。
また著書「WHYから始めよ!」はビジネス書好きな人であれば一度は目や耳にしたことがあるのではないでしょうか。
本書を読んだ感想
働く上でWHY起点で行動するのは大事です。
所属する組織のビジョンやミッションと個人の使命や想いをリンクさせる。
その重要性が本書を読むことで伝わると思います。
また「ゴールデンサークル」というメソッドを用いてWHY-HOW-WHATの関係性を説いていますが、このメソッドはあらゆる場面に活用可能で、思考のトレーニングにもなるでしょう。現代のビジネスパーソンは大いに活用すべきです。
さて本書の前半は主にゴールデンサークルの説明ですが、後半はWHYを見つけるための具体的なワークについての説明です。自分たちが所属する組織で研修を企画する際に参考になるでしょう。
さて、こうして書くと本書はとても有益な書ではあるのですが、個人的には読みづらさを感じました。
外国人特有の?比喩表現が多く、抽象論に偏りすぎな気がしました。
まるで空想の世界の話をしているかのようで、読んでいて「今自分は何のためにこの本を読んでいるのだろう?」と迷子になってしまいそうな感覚に陥ってしまいました。
WHYを見つけるためのガイドブックと言いつつも、著者サイモン・シネック氏の世界観が広がる哲学書的な要素を感じます。
WHYのゴールデン・サークル理論
本書の肝は「ゴールデン・サークル」理論です。
例えば何かの商品を販売する時、「なぜ(WHY)」から語ることで顧客に与える影響が変わってきます。
多くの企業は表面的な「何を(WHAT)」から入りがちです。
このWHYとWHATの関係は、人間の意思決定プロセスに似ていると著者は言います。
ゴールデン・サークルの外側のWHATは脳の新皮質に相当し、言語を司ります。
中央部のWHYとHOWは大脳辺縁系に対応し、感情や直感といった、感覚の源です。
つまり大脳辺縁系で生まれた感情を新皮質で言語化する。WHY-HOW-WHATの機能は人間本来の構造と同じで、ごく自然に機能するべきなんですね。
WHYステートメントを作る
WHYを見つけるためのヒントとして、「WHYステートメント」が説明されています。
それは、「〇〇することで、□□になる」 といった形です。
本書で紹介されている一例を見てみましょう。
「前へ進むよう人々を駆り立てることで、それぞれが世界に自分の足跡を残せるようになる」
どうでしょうか。
〇〇の部分は「貢献」で、□□の部分は「影響」に相当します。
この思考の型を身に付けて、シンプルで実行可能なWHYステートメントを作り上げましょう。
まとめ
本書のエッセンスとなる部分に軽く触れてみました。
ゴールデン・サークルとWHYステートメントは考え方だけでも覚えておくと、何かの役に立つかもしれません。
例えば自分のキャリアを考える、新商品のコンセプトを生み出す時、といったように、ビジネスのあらゆるシーンで活用が可能です。
コンセプチュアル思考でも触れましたが、いつでも物事のコンセプトを追及する思考のクセを身に付けておけば、自分の思考力が日に日に強化されるはずです。
豊かな思考力は人生を豊かなものにしてくれるでしょう。
様々なジャンルの書籍を読み、思考の幅を広げていきたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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