当ブログで紹介した喜多川泰さんの「手紙屋」のサイドストーリー「蛍雪篇」。
この「蛍雪篇」と合わせて読めば「手紙屋」の良さをさらに感じることができるはずです。
簡単に本書の内容を紹介していきたいと思います。
基本情報
発売日:2007年12月28日
ページ数:252ページ
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
著者:喜多川泰さん
あらすじ
この蛍雪篇の主人公は「手紙屋」に登場した、書斎カフェでアルバイトしていた和花という高校生です。
「手紙屋」の主人公が手紙屋に出会うよりも早く和花が手紙屋に出会い、進路や受験勉強に悩む和花が手紙屋との文通をきっかけに成長していくお話です。
というわけで前作は「就職活動」がテーマでしたが、今回は「勉強」がテーマです。
勉強とは言え、何も学生の勉強だけではなく、大人の学びに対してもあてはまる話なので、幅広い年齢層で楽しめる内容になっています。
勉強とは
「勉強は、自分を鍛えるための道具」です。
言い換えると、「勉強という道具は、自分をピカピカに磨いて、昨日とは違う自分になるためにある」と本書では語られています。
ポイントは「道具」であるという点にあると思います。
道具である以上、使い方を誤ってしまうと、人を傷つけてしまう場合もあります。
道具を使って自分が成し遂げたいことは何か?目的を明確にしましょう。
勉強という道具を使って何をする?
例えばナイフという道具は、使い方次第では非常に危険だというのは誰だって知っています。
勉強もナイフと同じだと思えば、使い方をしっかり理解する必要がありますよね。
では勉強という道具はいったい何のために使えば良いのでしょうか?
それは、「人の役に立つため」です。
勉強を上手に使えば、人から好かれたり、世の中の人々が喜ぶような物を生み出すことができます。
このような思考回路を回す際は、当ブログで紹介した「コンセプチュアル思考」が役に立ちます。
勉強に身が入らないと思った時は、より上位概念に立ち戻り、勉強の目的についてもう一度見つめなおしてみましょう。
興味を持つためには
そうはいっても勉強に対する興味はなかなか湧いてきませんよね。
1つの方法として、まず人に興味を持つことを本書では推奨しています。
教科という「もの」ではなくて、それに関わる「人」に興味を持つのです。
歴史であれば登場人物でも良いし、その教科を教えてくれる先生に対してでも良い。
また、好意を抱く相手が好きな教科だったら自分も知りたいと思いませんか?
そんな風に、勉強に対して間接的にアプローチをしてみましょう。
結局人は一人では生きていけない生き物なので、人への興味を持つということは勉強以前に大切な心がけだと思います。
興味を持っておいて絶対に損はないはずです。
人生に意味を持たせる
自分の人生の目的だったり、意味について考えたことはありますか?
おそらく多くの人はそんな事を考える暇もなく、日々学業や仕事に追われているはずです。
しかし人は初めから人生に意味が判るからそれに向かって生きているのではありません。
自らを磨き、誰かの役に立てたときに初めて人生に意味が生まれたと自覚するのです。
自分の人生を悲観する暇があったら、今すぐ自分磨きを始めましょう!
まとめ
・勉強という道具は、
1.自分を磨くため
2.人の役に立つため
という二つの目的のために使ったときにはじめて正しい使い方をしたと言える。
・勉強に興味を持つためには、まずは人に興味をもつことから始めること。
・人生に意味があることを自覚したければ、自分で磨き、意味を持たせるしかない。
実際に手紙屋というサービスがあれば、私も利用してみたいと思ってしまうほど、内容に引き込まれてしまう一冊でした。
読書というのは、素直な心で読み、まずは内容を受け入れることが大事です。
特にビジネス書であれば著者との対話にもなるので、自分の価値軸と照らし合わせて多少は批判的な目で読む姿勢も大事だと思います。
ただ喜多川泰さんの小説は、後者の姿勢は不要で、なるべくピュアな心で読んでほしいのです。
そうすれば、読み終わった時には透き通った心に生まれ変わっているはずで、人生を前向きに見れる勇気が湧いてくるでしょう。お勧めです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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