【サーベイ・フィードバック入門――「データと対話」で職場を変える技術 】要約と感想│ビジネス書│自己啓発本│書評│

📚読書

企業に勤めるビジネスパーソンであれば、おそらく一度は経験したことがある「サーベイ」。

今回はそんな「サーベイ」に焦点を絞った書籍です。

「〇〇調査」と題して企業は様々なサーベイを社員に投げてくるものの、結果のフィードバックが十分になされていないという実態があります。

本書はサーベイとフィードバックをセットで捉えることの重要性を説いています。

経営者、管理職、人事担当者は必見の書です。

そんな本書をシンプルに紹介していきたいと思います。

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基本情報

発売日:2020年2月26日

ページ数:256ページ

出版社:PHP研究所

著者:中原淳さん

中原淳さんは、以前当ブログで紹介した「リフレクティブマネジャー」の著者でもあります。

まったく意識せず今回この本を選択したのですが、どこかで聞いたことがあるお名前だなと思ったら、同じ著者でした。

数多くビジネス書を読んでいると、こんなことも多々あります。

サーベイ・フィードバックの概念

最近「サーベイ」が色々な企業で流行しています。

「エンゲージメント調査」「ストレス調査」「360°評価」といった、「〇〇調査」系のものです。

もともとサーベイの目的は、組織を良くするため、強くするために行われるもので、組織を「見える化」します。

サーベイはフィードバックと両輪で考えることで初めて組織が上手く機能しますが、往々にしてフィードバックはないがしろにされています。

本書では

サーベイで ①見える化 し、

フィードバックミーティングで ②ガチ対話→③未来づくり

というプロセスを推奨しています。

このプロセスを回す、すなわち可視化されたデータを基に現場メンバーで対話をしてこそ意味がある行為なのです。

肝はフィードバック

サーベイによって見える化したデータをフィードバックミーティングによって職場のメンバーに返すことで、「自分達の職場は自分たちで良くしていく」という当事者意識をメンバーに醸成させます。

この当事者意識が無ければ現状維持バイアスから抜け出せず、変わらない自分を正当化してしまいます。

とは言え、当事者意識って難しいです。

自分の行動によって得られるメリットをいかに理解させるかが、当事者意識を芽生えさせるポイントなのかなと私は思います。

つながらないデータ達

前述した通り、企業では多くの調査が行われています。

しかしこれらの調査結果が紐づけられていないという問題があります。

せっかく工数をかけて行った調査なのに、データ同士をつなげて活用できていない。

もしデータ同士がリンクしてれば、例えば職場間の偏りなどの傾向を見れるかもしれない。

また、もっと深い分析ができて、様々な視点から考察が可能になるかもしれない。

そう考えると非常にもったいないですね。データという宝の持ち腐れです。

フィードバックはマネジャーのスキルが試される

サーベイによって客観的なデータを取得したら、データを基にメンバー間で対話をします。

そこでマネジャーに求められるのはメンバーの心理的安全性を確保し、いかにメンバーの考えを引き出すかというスキルです。

心理的安全性については当ブログでも下記の書籍を紹介しました。

またマネジャーには、客観的なデータから「では何が言えるのか?」といった主観的な解釈が求められます。

メンバーがデータを受け入れ、前に進めるように方向性を示してあげる。そんなストーリーテラーとしての役割です。

マネジャーと言えども急にそんなスキルは身につかないでしょうから、このようなフィードバックミーティングの場がある意味訓練の場であり、学びの場であると私は捉えています。

だからこそメンバー自身にも考えさせる。考える場数を増やした方が良いと思います。

まとめ

・サーベイはフィードバックありきである

・フィードバックして対話することで、メンバーに当事者意識を醸成させる

・様々なサーベイで得られたデータ達を紐づけることで、見えてくる事もある

・マネジャーはストーリーテリングを

私はこれまで数多くのサーベイを受けてきましたが、今思うとあまり正確にフィードバックされてこなかったし、データを自分事として捉えたことはありませんでした。

例えば健康診断もサーベイと考えれば、それこそ自分事なので「どうにかしよう」と決意しますが、これが職場となればどこか他人事になってしまいがちです。

そこを当事者達に真剣に考えてもらい、自分達が組織の主役だという自覚を持つことが大事だと思います。

先行き不透明な世の中だからこそ、自分の組織は自分で何とかするぐらいの強い気持ちを持ちたいですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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