実は話すよりも聞く方が疲れる⁉【人の品格は「話し方」にあらわれる】要約と感想

📚読書

これまで当ブログでは、「組織開発」や「対話」、あるいは「コーチング」など、対人スキルに関わる書籍を何冊も紹介してきました。

どれも共通している重要なスキルとして、「話し方」がありますよね。

そんな「話し方」に関する面白そうな書籍を見つけたので、今回紹介したいと思います。

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基本情報

発売日:2019年8月19日

ページ数:253ページ

出版社:コスミック出版

著者:福田健(ふくだたけし)さん

著者の福田健さんは、「株式会社話し方研究所」という組織の会長を務めています。

コミュニケーションスキル向上を中心とした研修を行っているそうです。

リモートワークの急速な普及もあり、対面で話をする機会が減ってきてしまっている今だからこそ、「話し方」の重要性を感じます。大変興味深いです。

話し方の品格を支える3要素

品のある話し方はどのような特徴を持っているのでしょうか?

本書では主に3つあると指摘しています。

1.ホンプラ

「本物のプライド」の略語。ただしここで言うプライドは、自分の面子にこだわるような偽りのプライドではない。威張らず、おごらず、偉そうなものの言い方をしない。謙虚で自己肯定感にあふれています。

2.やわらか頭

心の筋肉をやわらかくしておきましょう。思考の枠にとらわれない、広い視野で考えましょう。

3.相手思考

相手を思いやる。他人の痛みがわかる。相手の視点に立って考える。どれも当たり前で判り切っていることですが、当たり前に実行するのはとても難しいのです。

すねる話し方は品格を落とす

どうせ私は~だから、と自分を卑下する人がいますよね。

このように「すねる」話し方は品格を落としてしまいます。

すねる人間の心には、愛情への飢えがあるのかもしれません。

マズローの欲求5段階説における「承認欲求」「所属と愛の欲求」が満たされない状態なのでしょう。

欲求があるのは自然なこと。その気持ちを素直に表現すれば良いだけなのです。

「どうせ」と切り出せば誰かが構ってくれるという期待があるからすねてしまうのかもしれません。

愛情は求めるばかりではなく、注ぐものです。これがまさに相手思考ですね。

徐々に本題に近づいていく

本書では様々な品のない話し方の例を挙げて説明しています。

会話のテクニックとして、世間話のようなやりとりから始めて、徐々に本題に近づいていく、というノウハウが紹介されています。

シャワーで慣らしてから湯船に浸かるようにじわじわアプローチしていくほうが、相手にとっても話しやすいでしょう。

当ブログで紹介してきた対話の書籍にもリンクする内容です。組み合わせて使えば強力な武器になりそうですね。

「聞き方」も品格が問われる

「話し方」に品格がある一方で、実は「聞き方」にも品格があります。

ただ聞くだけなら簡単だと思いがちですが、実は聞いて理解しようとするには、集中力、思考力、想像力など、色々なスキルが求められます。

一般的には「話す方」が疲れると思われていますが、実は「聞く方」がずっと疲れるのです。

確かにそう言われてみると、話して疲れるのはただ肉体的に疲れるだけで、聞いて疲れるのは頭が疲れている感覚があります。

聞く行為は休息ではなく「活動」という意識を持ち、聞く作法を身に付けたいものですね。

まとめ

・話し方の品格を支える3要素は、「ホンプラ」「やわらか頭」「相手思考」である。

・すねた話し方は品格を落とす。愛情は他者に注ぐこと。

・話す時は徐々に本題に近づけていく。

・聞き方にも品格が表れる。決してないがしろにしてはいけない。

「話し方」にフォーカスした書籍はなかなか珍しいので、とても新鮮な気分で読み進めることができました。

著者はさすが話し方のプロフェッショナル、色々なノウハウを紹介していました。

「話し方」で人の印象が大きく決まってきてしまう側面もあると思います。

周囲との関係性を良好に保ち、対話を上手に進めるためにも、話し方に注意を払うのはとても重要です。

多くの人があまり気にしていない「話し方」の基礎を学べる本書は、ビジネスパーソンにとっては大変有益な一冊です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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